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iPodの牙城を切り崩せ--競合各社を待ち受ける「長い道のり」

文:John Borland(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月10日 14時56分
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 先週ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)では、各社の幹部らが基調講演の壇上に有名人を登場させたり、新製品を発表したりしたが、その背後でりんごの形の影がちらついているものも多かった。

 Apple Computerは、今週サンフランシスコで開幕するMacworld Expo用に重大ニュースの発表を控えていた。しかしCESに足を運んだ多くの参加者の心にAppleのことが浮かんでいたのは明らかだった。

 AppleのiPodは、過去数年にわたって携帯音楽市場を完全に支配してきた。そのため、ソニーやMicrosoftといった巨大企業ですら大した成功を収められずにいる。オリジナルのiPodが発表されて4年が経過したいま、「新しい製品やサービスを投入することで、競合各社はようやくAppleのiPodを捕らえ始めることができるのか」という疑問はいまだになくなっていない。

 CESの会場には、iPodとの競争に楽観的な見方を示すライバル各社が点在していた。しかし、最大手の企業各社ですら過去10年間で最も成功した家電製品に追いつくまでには長い道のりがあることを認めている。

 MicrosoftのCEO、Steve BallmerはCNET News.comの取材に対し、「まだやるべきことがたくさんある」と述べた。「PCに関しては、依然としてわが社の製品が世の中で最も広く使われている。しかし携帯機器の分野では事情が異なる。もっとシンプルな体験を提供するためにやらなくてはならないことがあると思う」(Ballmer)

 Appleと競合する各社は、急速に変化を遂げつつあるデジタルメディア市場の状況に希望を見出せるかもしれない。オンラインの音楽配信サービスが普及するなかで、消費者はより多くの選択肢やさまざまな種類のハードウェアを求め始めていると、Appleのライバル各社は主張している。

 iPodの成功の一因が、iTunes Music StoreやiTunesソフトウェアとのシームレスな連携にあるのは言うまでもない。Apple CEOのSteve Jobsは、iPodに簡単に転送できる楽曲を99セントで提供するというシンプルなアイデアに消費者が反応することに賭けたが、この賭けは見事に的中した。

 デジタル音楽の売上はいまだに音楽市場全体の約5%を占めるに過ぎない。しかしAppleは同分野を圧倒的に支配していることから、iPodは前四半期だけでも640万台を超える売上を記録し、いまだにMP3プレイヤー市場で70%近いシェアを維持し続けている。

 Appleと競合する各社では、Appleとの差を縮める切り札として、消費者が月額固定料金で無制限に楽曲を聴取できるサブスクリプションサービスに大きな期待を寄せている。大手のライバル各社は、ほとんどが今年中にMicrosoftのソフトウェアをサポートすると見られている。このソフトウェアを使えば、膨大な数の楽曲をPCから携帯端末へ転送できるようになる。それに対し、iPodはサブスクリプションサービスをサポートしていない。

 しかし、好きなものをどれでも聴けるというこのモデルは、過去にユーザー間で混乱を招いたことがある。Microsoftの技術を利用するほぼすべての端末には、同社の「Plays For Sure」ロゴが付されているが、これは同社の製品と互換性があるものなら、どんなタイプの端末やオンラインサービスでも使えることを示すものだ。しかし、これにはひとつ落とし穴がある。それは、各種のサブスクリプションサービスが実際にどのハードウェアでも利用できるわけではない、ということだ。

 MIcrosoftのソフトウェアを利用する新しいMP3プレイヤーは、ほとんどがサブスクリプションサービスに対応する。またMicrosoftは、今年後半に予定される「Windows Vista」の立ち上げに向けて、MTVや他の企業の音楽サブスクリプションサービスを売り込んでいくいく計画を進めていることから、サブスクリプションサービスに新たな弾みがつく可能性もある。

 しかし、Appleと競合する各社にはオンラインサービスと端末とをつなぐシンプルなリンクが欠けていると、アナリストらは指摘している。さまざまなメーカーのつくる端末と各種のサービスとをうまく動かすには特別な手間が必要であることから、それを敬遠する消費者がApple製品に戻るかもしれないという者もいる。

 「iPodの競合製品にも、有望な選択肢はある」とYankee GroupアナリストのNitin Guptaは言う。「しかし、顧客にハードウェアとサービスの組み合わせを考えさせなくても済むような、よく考えられたマーケティングの取り組みが必要だ」(Gupta)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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