ラスベガス発--赤と青のレンズが付いた紙製メガネを必要としない3DTV技術が、意外と早く実現されるかもしれない。
Philips ElectronicsのCEOであるRudy Provoostは、3Dコンテンツを表示できるHDTVを約2年内には発表したいとConsumer Electronics Show(CES)でのインタビューのなかで述べた。この技術はまだ公開されておらず、Philipsの研究所内にとどまっている。
Provoostによれば、映画会社による3D映画の製作はまだだが、2Dの高品位(HD)ディスクと新たなTVを使うことで、3D映像を体験できるという。同技術が定着するにつれ、映画会社も最初から3Dを意識して製作することになるであろう、と同氏は付け加えた。
この3D技術への取り組みは、Philipsの抜本的な体制見直しの一環でもある。同社は伝統的に、採算性の良いものも悪いものも含め、広範な製品ラインをもつ大企業であった。欧州での業績は好調であったが、世界のその他の地域では苦戦する場面も多くみられた。
Provoostは2005年CEOに就任して以来、同社の製品ラインを縮小し、多くの製品について高級感を再度強調する方針を採っている。例えば、同社TVに搭載される照明システム「Ambilight」は、TVが発するライトを室内の間接照明として照射するというものである。同社は2つのグループに再編され、ひとつはプレミアム製品に注力し、他方はDVDプレーヤーなどの確立した製品カテゴリを取り扱うグループとなっている。
売上高は北米、アジア、ラテンアメリカで回復し始めた。「わが社はこれまではひとつのシリンダー(欧州)で走っていたが、今では4つのシリンダーで走っている」とProvoostは述べた。
Provoostはまた、HD DVDとBlu-rayの激しい論争の背景についても述べた。2つの規格は技術的に異なるが、各規格の関係者は多額の利益を得ようとしている。
「皆が投資に対する見返りを求めている」とProvoostは述べた。PhilipsはBlue-rayを採用し、同技術の知的所有権の一部にも寄与している。(同社はまた、CDからも多額のロイヤリティーも獲得している)。同社は2006年後半にも初のBlu-ray技術搭載DVDプレーヤーを発表する予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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