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MTV、新音楽サービス「Urge」をアピール--iTunesに強敵出現か

文:John Borland(News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月06日 17時31分
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 Bill Gatesは米国時間4日夜、ネバダ州ラスベガスで開催中のConsumer Electronics Show(CES)で基調講演を行い、複雑な表情を見せながら人気歌手のJustin Timberlakeを壇上に迎えた。

 Timberlakeは、MTV NetworksトップのVan Tofflerと一緒に登場し、MTVがまもなく立ち上げる音楽サブスクリプションサービス「Urge」を大々的に宣伝した。どのライバルサービスとも異なり、UrgeはMicrosoftからまもなく登場するWindows Media Playerの新バージョンに直接組み込まれる。

 「今年新しいアルバムをリリースするが、そのときはUrgeと共同で何か新しいクリエイティブなことをする」と述べたTimberlakeは、Microsoftの会長とデュエットするとジョークを飛ばした。「Urgeなら、自分のようなアーチストが音楽ファンにターゲットを絞ってさまざまな方法で訴えかけることができる」(Timberlake)

 Timberlakeをゲストに呼んだMicrosoftは、なんとか新しい音楽サービスを売り込むことができた。ただし、ライバルのApple Computerは、U2からWynton Marsalisまで、さまざまなアーチストをイベントに呼んでいる。

 しかし、この派手な発表会では、Microsoftが新世代音楽サービスとPCベースの音楽流通の核にしたいと考えるものも垣間見えた。それは、MTVやTimberlakeをはるかに超えるものだ。

 3月にリリース予定の「Windows Media Player 11」では、楽曲のブラウズや表示の方法が大きく変わる。これまで、同プレイヤーでは、左側にアルバム名やアーチスト名のリストが並び、それをスクロールする形になっていた。だが、新ソフトウェアでは、大きなウインドウに古いレコードが重なったようなジャケットの「山」が表示され、アクセス可能なコンテンツの量が視覚的に把握できるようになる。

 両社によると、MTVのUrgeのようなサービスでは、Windows Media Player 11が全部でおよそ200万曲という同サービスのカタログからメタデータ(曲名やアルバム名など)をダウンロードし、これを利用者のコンピュータ内に保存することになるという。つまり、膨大な量のカタログの閲覧も、理論上はハードディスク上のファイルを見るのと同等の速さでできることになる。

特別優遇パートナー?

 新しいWindows Media Playerを投入するパートナーとしてMTVを選んだMicrosoftの判断に、デジタル音楽業界の一部はいら立ちを見せている。ただ、同プレイヤーではUrgeと並行してほかのサービスも提供できるようになる可能性が高い。

 Microsoftは長い間、Windows Media Playerにパートナーを囲い込みつつ自社の楽曲サービスを最も目立つ場所に配置するなど、音楽ビジネスに関する交渉では危ない橋を渡ってきた。

 独禁法を巡ってRealNetworksと先ごろ和解をしたことからも、状況は一段と微妙になっている。Microsoftはその際、少なくとも自社の音楽サービスなどと同等の目立つプロモーションスペースをRealの音楽サービス「Rhapsody」に提供することに合意した。

 しかし、RealNetworksのシニアバイスプレジデントDan Sheeranによると、MTVがWindowsの新しい楽曲ソフトウェアで明確に主導的役割を果たしても、この合意に反することにはならないという。RhapsodyのプロモーションはMSNネットワークを中心に行われており、MicrosoftのMessengerや検索ツールにもリンクが貼られていると、同氏は説明した。

 「確かに、われわれは新しいMedia Playerを目にすることになる」と述べたSheeranは、RhapsodyではユーザーをMicrosoftのソフトウェアの内部に囲い込むのではなく、ウェブにアクセスさせるというアプローチを採っていると付け加えた。「もしわれわれのアプローチを構造的に統合できる方法があれば、それを採用することもやぶさかではない」(Sheeran)

 AppleのiTunesは、iTunes Music Storeにワンクリックでアクセスできることから、ダウンロード音楽販売の市場で圧倒的な強さを誇っている。それにもかかわらず、MicrosoftのWindows Media Playerは、PCユーザーの間で最も高い人気を保っている。The NPD Groupの調査によると、PC用音楽再生ソフトの市場シェアは、Media Playerが45%であるのに対し、iTunesは17%だという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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