Advanced Micro Devices(AMD)と富士通の合弁会社で、フラッシュメモリを製造/販売するSpansionが米国時間16日、新規株式公開(IPO)を実施したが、今のところGoogleの時のような盛り上がりは見られていない。
同社はIPOで、クラスA株式4220万株を1株当たり12ドルで公開し、その後Nasdaq市場で同株式の取引が開始されたが、積極的に上値を追う動きは見られなかった。Spansionの株価は、11ドル弱〜14ドルのレンジで推移した。太平洋標準時間(PST)の午前10時の段階で、「SPSN」のティッカーシンボルで取引されている同銘柄の株価は13ドル10セントだった。Spansionは2005年11月、公開価格を1株当たり16〜18ドルにすると発表していた。
SpansionはNOR型フラッシュメモリチップの専門企業だ。NOR型フラッシュメモリは携帯電話のプログラムやアプリケーションの保存に利用されている。ネットワーク機器メーカーも大量にNOR型フラッシュメモリを使用している。
NOR型フラッシュ市場において、SpansionはIntelに次ぐ第2位のシェアを誇る。NOR型フラッシュの出荷量は増加傾向にあるが、市場は極めて不安定な状態だ。Spansionは市場シェアを拡大し、2004年前半には営業黒字を計上したが、Intelの値下げやSpansion自身の製品発表の遅れなどにより、同社の業績は赤字に転落した。
Spansionの業績が低迷する中、AMDは同社のスピンオフを発表したが、当時、多くのアナリストがAMDの決断を疑問視した。
フラッシュメモリ市場の不安定な状況は、同社の財務状態に顕著に現れた。2003年のSpansionの売上は9億6200万ドルで、純利益は2100万ドルだった。2004年の売上は前年の2倍以上の23億ドルだったが、一方で1970万ドルの純損失を計上した。
2005年の9月末までの売上は14億ドルだったが、純損失は2億5660万ドルにまで膨れ上がった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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