面倒なIT関連業務を代行するサービスに参入する企業の数が増えていることが、最近の調査で明らかになった。
市場調査会社IDCの報告によると、低価格・高い専門性・先進技術を武器に、IBMやElectronic Data Systems(EDS)といったコンピュータサービス大手に挑戦する企業が続々と出現している。
ITアウトソーシング市場に新規参入した注目企業のなかには、デスクトップマネジメントを専門とするDellや、ネットワーク管理を専門とするLucent Technologiesなども名を連ねる。これらメーカーは比較的限られたサービスしか提供していないが、それぞれに高い専門性と低価格を売りにして大規模な契約を既に獲得しているという。
Tata Consultancy Services、Wipro Technologies、Infosys Technologiesなど、インドのコンピュータサービス企業も低価格を掲げて同市場に参入している。
一方で、オフサイトでサブスクリプション型ソフトウェアを提供するSalesforce.comなどは、インターネットを活用し、新しい種類のアウトソーシングサービスを提供し始めている。Salesforce.comは、ホスティングされたサービスとして顧客のシステムを遠隔から管理する。
IDCの予測では、Amazon.comやeBay、Travelocity、Google、AOL、Yahooも「オンデマンド」の業務サービスを強化する方向へ進むという。
しかし、IDCの報告によると、新たな競争が生まれても、世界3大ITアウトソーシング企業であるIBM、EDS、Computer Sciences Corp. (CSC)の地位は変わらないという。IDCのデータによると、2004年の売上高ベースで、IBMは昨年の世界市場でシェア15.5%を獲得しトップとなり、EDSは11.7%で2位だった。3位のCSCのシェアは5.5%だった。
世界10大企業のなかでは、IDCの集計によると、2004年はHewlett-Packard(HP)のサービス分野の売上高伸び率が22%と最も大きかった。IBM、Capgemini、Northrup Grummanも2桁の伸び率を記録した。
IDCの数字は、データセンター管理やデスクトップ管理、ヘルプデスク支援、ネットワーク運営、アプリケーション管理、または障害回復サービスといった広範囲に渡るアウトソーシング契約を対象にまとめたものだ。
IDCによると、同サービスの世界市場は、2004年に846億ドルまで拡大したという。同社は、同市場は2009年までは毎年6%近く拡大し、2009年には1125億ドルに達すると予測する。また米国市場は、現在の338億ドルから4.2%の成長率で拡大すると予測している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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