Hewlett-Packard(HP)が、ユーティリティコンピューティングサービスにハリウッド映画でも利用された技術を盛り込み、その魅力を倍増させようとしている。
HPは米国時間29日、同社の研究所とDreamWorks Animationが「シュレック2」および「マダガスカル」のために開発した技術を利用する、新しいアプリケーションを発表した。同プログラムは、コンピュータ支援エンジニアリング解析を行うもので、その運用管理はHPが自社のデータセンターで行う。
エネルギー会社は同システムを利用して、油田やガス田の3次元モデルの製作といった、高いコンピュータ処理能力が要求されるシュミレーションを実行させられるようになると、HPは述べている。また、金融サービス企業やヘルスサイエンス企業においても、同アプリケーションに対する需要があるとHPは見ている。
HPは、Fluent、Livermore Software Technology、MSC.Software、Dassault Systemsに買収されたAbaqusなどの解析ソフトウェア企業に対して、同システムを供給する契約をすでに締結している。HPによると、これらの企業はそれぞれ、HPのユーティリティコンピューティングモデルを補完する柔軟な料金支払い体系を顧客に提供しようと、HPと協働しているという。
HPは、コンピュータ処理能力の消費量に応じた料金支払制度を含む、ユーティリティコンピューティング分野への進出を続けており、今回のプログラムもその一環とされている。同社の「HP Flexible Computing Services」では、サーバ、データセンターの使用スペース、システム管理ソフトウェアをさまざまに組み合わせたものと各種サービスが提供され、ユーザーにはそれらの実際の使用料を基にした料金が課金される。
1時間当たりの使用料はパッケージのタイプごとに異なるが、1プロセッサあたり55セント〜1ドル50セントの間に設定されている。
HPと競合するSun Microsystemsも、「Sun Grid」と称する独自のユーティリティサービスに取り組んでいる。Sun Gridは、Sunのサーバに対するアクセスを1プロセッサ当たり1時間1ドルで販売するサービスだ。もっともSunは、Sun Gridの準備中で、これはまだ一部の顧客にしか提供されていない。
Sunは米国時間29日には、英国のパートナー企業InTechnologyがSunの次世代ソリューション「Grid Storage Utility」を基礎とした2種類のサービスを提供する予定だと発表している。2種のサービスとは、ユーザーがデータのバックアップに利用する「Sun Grid Remote Backup and Restore Service(RBR)」と、ファイルをリモートで保管するための「Sun Grid Remote File Vault(RFV)」であるという。
HP Flexible Computing Servicesのユーザーは、Intel「Xeon」もしくはAMD「Opteron」プロセッサ搭載のHP「ProLiant」システムや、Intel「Itanium」チップ搭載のHP「Integrity」サーバなどの中から、利用するマシンを選択できる。またHPは、同サービスはすべての主要オペレーティングシステムに対応していると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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