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サービスを急拡大させるグーグル、そのスピードの秘密と狙い - (page 4)

インタビュー:永井美智子(編集部)
文:林信行、写真:津島隆雄
2005年12月07日 08時00分
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--ブログやSNSといった、いわゆるCGM(Consumer Generated Media)に対するGoogleの姿勢について聞かせてください。

 我々としては大歓迎ですよ。皆でコンテンツを作っていく、という考え方も素晴らしいと思います。ただ、それをどういう風に処理していくかは今後の大きな課題ですね。

 例えば今日のPageRankは、外部からどれくらいの量のリンクがされているかを筆頭とした数百の細かな要素によって決まっています。しかし、これも新たなCGMサービスが出てくることで、違うPageRankの算出方法がに必要になってくるのかもしれません。

--BloggerやOrkutといったサービスと検索サービスは今後どう結びついていくのでしょう。

 すでに米国ではブログ検索サービスを開始しています。ただ重要なのは、そのページに求めている情報があるか否かであって、それがどのサービスの一部かというのはそんなに問題ではありません。

--米国で開始された書籍の本文検索サービス「Google Books Search(Google Print)」は日本でも提供する予定ですか。

 Googleは基本的に、どんなサービスでもグローバルで展開したいと考えています。ただし、サービスによっては国ごとにニーズの違いがあり、著作権などの法律や規制の違いの問題もあります。

 これに加えて、我々自身のリソースが足りないということもあり、なかなか思ったように世界同時展開はできないのです。

 もちろん、消費者だけでなく、関係する業界の反応も重要です。Google自体はコンテンツを持たないので、サービスの提供でGoogle1社だけにメリットがあっても、それは長期的に見れば意味がないことになってしまいます。つまり、コンテンツホルダーにメリットがあって初めてサービスとして成り立つわけです。

--Google自体がコンテンツを持つことはないのでしょうか。

 例えばBloggerなどのように情報のホスティングはしています。ただ、他の会社が持っているコンテンツを買ってきて、それを提供するということはやりませんし、編集者やライターを抱えて自社でコンテンツを作るということもしません。それは現CEOのEric Schmidtも「絶対にやらない」と否定しています。なぜなら、Googleは「情報がここにありますよ」と教えるのが自分の役割だと考えているからです。

 これは非常にシンプルなミッションのようですが、実はまだまだかなり先の長い道のりです。それだけに、当面の間はそれ以外のことは考えることはない、といえます。

 コンテンツづくりをしてしまうと、そっちの方に力を取られてしまう、という側面もありますし、自社がコンテンツを持っているからこそ生じる矛盾と言うのもいろいろあると思うんですよ。例えば、自社でつくった情報を、例えばPageRankでどう扱うのか、どうやって「中立」の立場を保つのか。だからこそ、そういうことにできるだけ直面しないようにしようという考え方なのです。

--Googleは、自社のサービスについてあまり自ら語りませんね。

 それは社内のリソース不足というのもありますが、Googleがそもそもそういうカルチャーの会社、というのもありますね。我々は、1個だけ検索窓を提示し、そこにユーザーが思ったことを打ち込むと、予想した通りのものが返ってくるというのを理想としています。ユーザーの方々に、使い方についてあれこれ説明をしなければならないとしたら、それはいい仕事ができていないという指標に他なりません。

 だからGoogle Baseにしても、とりあえず箱だけを提供して、それをどうやって使ってもらうかは、ある程度、ユーザー任せということになっています。

 もっとも、最近、いろいろなサービスがでてきて、状況も入り組んできましたし、もしかしたら、どんなことができるのかという点はもう少し丁寧に示していくべきなのかもしれませんね。

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