アップル、フラッシュメモリの大量確保に積極策--12億5000万ドルを投入へ

 IntelとMicron Technologyが、NAND型フラッシュメモリを製造するジョイントベンチャーを立ち上げるが、この新会社に対しApple Computerが人気の高い同メモリの供給を確保すべく5億ドルを前払いすると、これら3社が米国時間21日に明らかにした。

 IM Flash Technologiesというこの新会社は、Intelが株式を49%保有し、残りの株式をMicronが保有することになる。IntelとMicronは当初、それぞれ12億ドルずつ出資してアイダホ州、ユタ州、バージニア州の3カ所に工場を建設するほか、その後3年間でさらに14億ドルずつを追加出資することも計画している。このジョイントベンチャーについては、年末までには最終的な内容が決定されると見られている。

 IntelのCEO(最高経営責任者)Paul Otelliniは声明のなかで、「今回の新会社設立は、不揮発性メモリ業界トップの座を維持しようというIntelの意向を裏付け、同時にフラッシュメモリ市場の急成長分野への迅速な参入を可能にするものだ」と述べている。

 NAND型フラッシュメモリは、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話、そしてAppleの「iPod」のような各種の携帯音楽プレイヤーに幅広く採用されている。さらに、同メモリの大容量化が続いていることから、業界の一部には、かさばる小型ハードディスクに代わって、将来はフラッシュメモリが主流になるだろうと推測する声もある。

 Appleは、NAND型フラッシュメモリの供給を受けるべく、合わせて5社のチップメーカーに12億5000万ドルの前納金を支払う計画で、IntelとMicronに対する5億ドルはその一部となる。Appleでは、IntelとMicronのほかに、Hynix Semiconductor、Samsung Electronics、そして東芝にも前払いを行う。今後3カ月以内にこの前納金を支払うことで、Appleは2010年までNAND型メモリを確保できると同社は21日に述べた。

 Appleは、人気の高い同社のiPodにこれらのフラッシュメモリを採用することを計画している。

 Apple CEOのSteve Jobsは声明のなかで、「幅広い人気を獲得しているiPodを、市場の需要に合わせて可能な限り多く製造したい」と述べた。

 Appleには、部品不足の問題に悩まされた過去がある。6年前には、サプライヤー側が予想を上回る需要に対応できなくなり、G4コンピュータ向けの高速プロセッサが不足してしまった。その結果、AppleはG4コンピュータを当初販売予想の半分以下しか出荷できなかった。

 1999年には、AppleがSamsungに1億ドルを支払い、iBook用ディスプレイの安定供給の約束を取り付けている。

 Appleは、チップメーカー5社と長期計画を結ぶことで、iPodならびにNAND型フラッシュメモリの人気が今後も続くことに賭けようとしている。

 IM Flash Technologiesは、IntelとMicronに独占的にNAND型チップを供給し、チップ設計会社各社からの製造依頼は受けない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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