Microsoftが同社のメディアプレイヤーを搭載しないバージョンのWindowsをリリースしてから5カ月になるが、イギリスの大手小売店と国際的な有力PCベンダー3社では、販売する予定が依然ないことがわかった。
Microsoftは2005年6月、2004年に欧州委員会が下した反トラスト裁定に従うため、メディアプレイヤーをバンドルしない「Windows XP N」の提供を始めた。
Windows XP Nがリリースされる前、顧客の要望があれば同ソフトウェアをインストールするとしていたのは、Fujitsu Siemens1社だけだった。だが、同社のプロダクトマーケティング部門を率いるGarry Owenは米国時間17日、Windows XP Nを希望した顧客は1社もなかったことを明らかにした。
「XP Nをマシンにインストールしたい顧客には、同ソフトウェアを搭載するPCを工場で注文生産して提供できる。しかし、そうした要望は、現時点を含め、これまでには出ていない」(Owen)
Lenovoでは、Windows XP Nに対する態度はこれまでと変わらず、同ソフトウェアの需要は低いままだと述べている。Dellも態度は変えないとしているが、XP Nの需要に関してはコメントせず、そのような情報はMicrosoftから得るようにとZDNet UKに述べた。
Microsoftの関係者は、同社はWindows XP N関係の統計を一切取っていないと話している。同関係者は、「各流通経路を通じて製品を販売する通常の場合と同様に、このソフトウェアを購入しているユーザーがどの程度存在しているのかはまったく調べていない」と述べ、ZDNet UKに対しては「小売業者か、(小売)流通経路上の業者と直接話をする」ことを勧めた。
2005年はじめ、イギリス最大のコンピュータショップチェーンであるPC Worldは、顧客により高い価値を提供できる完全版Windows XPがXP Nと同価格で販売されていることから、XP Nの在庫は置いていないと述べていた。現地時間17日に同社関係者に話を聞いたところ、状況は依然変化しておらず、把握している限りではXP Nの「需要はまったくない」とのことだった。
現地時間17日、Microsoftに対する反トラスト規制についてコメントを求めたが、欧州委員会の広報担当官はこれを拒否した。ZDNet UKは、Windows XP Nへの関心が薄いことを同委員会に6月にも質問しているが、委員会関係者は当時、「判断を下すにはまだ時期が早い」と話していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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