ワシントン発--Intelは米国時間18日、今秋に製品リリースを計画している装置メーカーに対し、WiMaxチップセットの出荷を開始したと、当地で開催中のイベントで発表した。
WiMaxは、「802.16-2004」という名称でIEEEによって承認された標準規格。現在広く採用されている無線通信規格はWi-Fiだが、今後はWiMaxへと市場が移行すると見られている。Wi-Fiプロトコルは、通信距離がメートル単位の狭い範囲で、キロ単位の広範囲には至らない。WiMaxでは、通信距離が最大48キロメートル、通信速度は70Mbpsで提供される。
WiMaxを利用すると、家庭やオフィスにケーブルを敷設すると費用が非常に高額となる地域でも、容易に高速インターネット接続を実現することが可能になると期待されている。
「さらに10億人のユーザーに広帯域接続を提供したいと思う」とIntelのWiMaxマーケティングディレクターRon Peckは述べた。
WiMax製品の出荷はまだだが、同技術の支持者らは、将来の応用分野としてさまざまなことを思い描いている。
WiMaxアクセスポイントの販売価格は、発売当初は250ドル〜550ドルになる見込みだが、時間の経過とともに価格は低下していくものと予想されている。Intelは、2008年には50ドル近くまで価格が下落するものと予測している。ここまで安くなれば、ラップトップや携帯電話など消費者向け小型装置にアクセスポイントを搭載し、映像のストリーミング配信やVoIPのサポートが可能になる。
またWiMax Forumは同日、同規格の製品認定を目的として、研究施設の開設に着手したことを発表した。メーカーは製品出荷時に認定を受ける必要はないが、取材したメーカー各社では認定を受ける意向を明らかにしている。Proximは、顧客が、正式な認定を取得するように要求するだろうと予想している。
WiMaxの普及促進を考えるうえで、問題を複雑にしているのが、規制上の問題だ。現状では、世界的に統一して利用可能なWiMax用の周波数帯が設けられていないのである。そのため、旅行者がWiMaxを利用するときに互換性上の問題が発生する可能性がある。
米国では、ブロードバンドプロバイダーは、無免許で利用可能な5.7〜5.8GHz帯をWiMaxに使用できる。しかし、これは、音声通話などのリアルタイム性を必要とする目的には不向きな周波数帯だと指摘する声が多いのが、実状だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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