主力総合電機、勝ち負け明白な9月中間決算 - (page 2)

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過去最高の売上高も精彩を欠いたシャープ

 勝ち組に入れるにはやや精彩を欠いた決算となったのがシャープだ。同社の9月中間連結決算は、売上高が1兆3355億円(前年同期比6.2%増)と過去最高を達成したものの、半導体メモリ価格の下落などで営業利益が750億円(同3.2%減)、経常利益652億円(同9%減)、純利益364億円(同7.2%減)と減少した。

 30型以上の大型液晶テレビや携帯電話などの販売が好調だったことがけん引役となって売上高が伸びた。同社の場合「液晶のシャープ」という強烈なプラスのブランドイメージが末端の消費者にまで浸透していることが武器となり、他社に比べて液晶テレビの値崩れが軽微に止まり、採算の維持に寄与しているようだ。したがって、AV機器を含めたエレクトロニクス機器分野では、売上高8373億円(前年同期比7.0%増)、営業利益296億円(同7.0%増)との増収増益なっている。

 この一方で、利益が減少したのは、半導体フラッシュメモリの価格が下落したためだ。したがって電子部品部門は、売上高が6478億円(前年同期比6.0%増)と増加したにもかかわらず、営業利益ベースでは466億円(同9.0%減)と2桁近い減益を強いられた。

 下期に電子部品部門の採算好転を見込んでいることから、2006年3月期通期の業績については、従来予想の売上高2兆7500億円(前期比8.3%増)、営業利益1600億円(同5.9%増)、経常利益1500億円(同6.8%増)、純利益870億円(同13.2%増)という見通しを変えていない。株価は10月5日に年初来高値1766円をつけて以降、反落局面が継続している。10月29日の安値は1561円と下落率は12%に達しており、正念場にさしかかっている。年初来高値更新までには、かなりの日柄調整が必要となりそうだ。

携帯電話端末部門の不振が続くNEC

 負け組に分類せざるを得ないのがNEC。同社の9月中間期連結決算は、売上高は2兆2330億円(前年同期比3%減)、営業利益129億6700万円(同78%減)、税引き前利益は284億円(同60.4%減)、純利益164億円(同34.8%減)となった。

 半導体子会社のNECエレクトロニクスが通期赤字への転落を予想するなど不振な上、前期から続く携帯電話端末の販売低迷が長引き減収。SI分野やモバイルインフラなどは堅調だったが、平成電電向け売上債権の全額など約40億円を引当金として計上し、営業利益は従来予想比で約20億円の未達となった。また、携帯電話端末部門の不振が足を引っ張る構図が前期から続いており、通期出荷台数予想を大幅に下方修正し、当初見込みの1500万台から1000万台へと3分の2に減らした。

 これらに伴って、2006年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。売上高4兆9300億円(従来予想比700億円減)、営業利益1000億円(同500億円減)、税引き前利益900億円(同400億円減)とした。ただし、純利益は修正せず600億円を据え置いた。これは、税引き前利益の減で法人税などが改善するためだ。株価は10月5日の年初来高値682円から反落基調となり、10月29日には一時570円まで17%近く下落している。しかし、この水準は、8月8日の年初来安値559円に接近してきており、今後は当面500円台後半のゾーンでの底練り相場となりそうだ。

通期も最終損益100億円の赤字と厳しいソニー

 ソニーの9月中間期連結決算は、売上高前年同期比1.6%減、税引前利益は同55%増、純利益は同72.3%減となった。厚生年金基金の代行返上益計上やソニー生命の運用収益が増加。その一方で、海外子会社の未分配利益などに対する引当金を計上したことが最終減益につながった。第2四半期(7〜9月)決算ベースの事業別では、エレクトロニクスが横ばい、PSPが好調なゲームや金融が伸びた半面、映画は前年好調の反動で不振となった。

 同社の大根田伸行・執行役常務は、「9月22日に発表した構造改革路線を推し進めていく。下期の前提為替レート(1ドル=107円前後)などからすると業績は上ブレの可能性があるが、通期の業績予想は変更しない」としている。

 2006年3月期の第2四半期(7〜9月)連結決算は、売上高1兆7030億円(前年同期比横ばい)、営業利益659億円(同51.9%増)、税引前利益954億円(同50.8%増)、純利益285億円(同46.5%減)となった。エレクトロニクス分野の売上高は1兆2161億円(前年同期比0.3%減)、営業利益は173億円(前年同期の2.4倍、第1四半期は363億円の赤字)。ただ、これは厚生年金基金の代行返上益639億円計上によるもので、実質的には赤字。ブラウン管テレビのでの赤字幅拡大や、CCDの価格下落がいぜんとして収益を圧迫している。米国のブラウン管テレビ製造設備に関する固定資産の減損で計上した構造改革費用も323億円も大きな負担となっている。今3月期通期も最終損益が100億円の赤字となる見通しなど、依然厳しさが続く。

 ただし、同社の業績の厳しさは事前に予想されていたこともあって、「目先は悪材出尽くしの格好」(中堅証券)との見方も。しかし、各調査機関の同社に対する評価の厳しさは変わらず、当面は年初来安値圏での下値模索の展開が続くことが予想される。株価は7月29日につけた3660円の年初来安値を巡る攻防が続くことになりそうだ。

 なお、東芝については前回の当コラムで詳報済み。日立製作所の9月中間決算は10月31日に発表。三洋電機は、例年に比べ半月ほど遅い11月18日に9月中間決算を公表するとしたことで、業績の先行きに一段と懸念が強まっている。また、ゴールドマン・サックス証券は同社のレーティングを「インライン(中立)」から「アンダーパフォーム(売り)」に引き下げている。同証券では、10月初めの古瀬洋一郎副社長兼CFOの辞任を受けて、改めてコーポレートガバナンス欠如の問題を認識せざるを得ないこと、および、構造改革に空白期間を生じさせる可能性が出てきたこと、などの事態は想定以上に深刻度を増しているとしている。

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