カリフォルニア州サンノゼ発--IBMは米国時間25日、「Microsoft Xbox 360」用の新しいマイクロプロセッサの製造が進んでいることを明らかにした。同ゲーム機は今秋に出荷が予定されている。
同社によると、専用設計の同マイクロプロセッサは、ニューヨーク州イーストフィッシュキルにある自社工場と、シンガポールのChartered Semiconductor Manufacturingで製造されているという。
同チップは、IBMとMicrosoftが共同で設計と開発を行った。両社は、新チップの最初の共同開発契約を2年前に発表している。
IBMによると、同チップは、今ホリデーシーズンに予定されるXbox 360の世界的な発売に間に合うよう、2003年秋の最初の契約締結から24カ月未満でMicrosoftに納入されたという。
同次世代ゲームマシンは、11月22日に北米、そして数週間後に欧州と日本でも発売予定となっている。
IBMによると、同チップにはカスタムバージョンの64ビットPowerPCコアが採用されているという。同チップにはこれらのコアが3基搭載され、それぞれが2つの同時処理スレッドを持ち、クロックスピードは3GHzを越える。
同チップは1億6500万個のトランジスタを集積しており、発熱を抑え、パフォーマンスを引き上げるため、IBMの90ナノメートル技術を使って製造されている。同社によると、21.6Gバイト/秒で動作する同チップのフロントサイドバスアーキテクチャは、Xbox 360のゲームプラットフォームソフトウェアが要求するスループットとレイテンシーに対応するようカスタマイズされているという。
IBMの著名エンジニアJeff Brownは、同プロセッサの面積が168平方ミリであることを明かしたが、開発コード名や消費電力量は明かさなかった。これはおそらく、IBMが数値を改善できると想定しているためと思われる。
同チップは1Mバイトの高速キャッシュメモリを内蔵し、これを3基のコアが共有する。
IBMはさらに、「Cell」と呼ばれる「PlayStation3」用プロセッサの開発にもソニーや東芝と共同で取り組んでいる。
同チップは64ビットデザインだが、「ベクトル」処理系の数値計算処理用に128ビット化された部分もある。
Brownによると、このベクトルコンポーネントは、3次元グラフィックスの計算処理高速化、オブジェクトの落下や衝突といったゲーム関連タスクの物理シミュレーション、そしてDirect3D命令処理に利用されるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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