9月27日に次世代DVD規格のHD DVDフォーマットを支持すると表明したIntel。そのIntelのデジタルホーム事業本部 副社長 兼 本部長のドン・マクドナルド氏が10月4日、IT関連製品の総合展示会「CEATEC JAPAN 2005」にて基調講演とプレスブリーフィングを行い、今回のHD DVD支持について説明した。
マクドナルド氏は、「次世代DVD規格について、どのフォーマットが標準であるべきか議論がなされているが、ユーザーが望んでいるのは使いやすさだ」と述べ、「規格戦争は避けたい。ユーザーの混乱を生むだけだ」とした。
HD DVDを支持したのは、「ユーザーにとってよい機能が備わっているためだ」とマクドナルド氏は言う。その理由として同氏は、既存のDVDプレーヤーとの互換性があること、ノートPCに適していること、また著作権を保護した上でハードディスクなどにコピーする機能を備えていることなどを挙げ、「Blu-rayでは同様の機能が提供されていない」と主張する。
CEATEC JAPAN 2005にてデジタルホームの未来像について語るIntelのドン・マクドナルド氏 |
Intelにとっては、一方の規格を支持するよりも、両規格に対して中立な立場を取り、双方に製品を提供する方がメリットがあるようにも思える。しかしマクドナルド氏は、「Intelではユーザーにメリットを与えるものをサポートする。規格の統一もユーザーにとってのメリットのひとつだ。両規格の陣営が中立的な第3の規格を提案しようと話し合っているようだが、結局うまくいっていない」として、冷戦が長く続くことへの懸念を示した。そこで、こうした規格に対しては中立の立場を取るIntelとしては異例ではあるが、「今回はユーザーニーズを代弁する必要があると感じた」として、HD DVD支持の表明に至った経緯を説明した。
ただしマクドナルド氏は、「Blu-rayを除外するつもりはない」とも述べている。同氏は、「HD DVDに備わっている機能がBlu-rayでも実現すればいいと思っている。どちらの規格がいい、悪いということよりも、1つの規格で多くの機能を備えることが大切だ」としている。
それでもIntelでは、今回は「1つの規格」にこだわっているようだ。「単なる規格戦争は、ユーザーの声を無視しているだけだ」とマクドナルド氏は警告し、「当面は2つの規格が別々に走ることになるかもしれない。もしくは業界全体で合意に達し、ひとつの規格が選ばれるかもしれない。どうなるか今の段階ではわからないが、VHSとベータで起こったビデオの規格戦争のようなことだけは避けたい」とした。
マクドナルド氏は、「IntelとMicrosoftが共同で声を大にして規格統一を呼びかけることで、業界も少しは動くのではないか、多少の貢献ができるのではないか、という思いから、今回のHD DVD支持を発表した。われわれがやらなければ、誰がやるだろうか」と述べ、リーダーとしての役割を果たす決意をあらためて表明した。
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