Linuxの発展に努める業界団体Open Source Development Labs(OSDL)は米国時間17日、オープンソースオペレーティングシステム(OS)であるLinuxを携帯電話に搭載させる取り組みを開始する。
OSDLの新たな取り組み「Mobile Linux Initiative」の目的は、小型化/多機能化に拍車のかかる携帯電話向けにLinuxを改良することだ。また、アプリケーションの開発を促進したり、異なる携帯電話を利用する際の要件を明確にしたり、関連するオープンソース開発プロジェクトをとりまとめたりする意図もある。
OSDLが以前立ち上げた「Carrier Grade」プロジェクトでは、Linuxとハードウェア機器の連携性を高めるため、Linuxソフトウェア/ハードウェア協力団体が力を尽くし成功を収めたが、今回の取り組みでも同様の成果を上げたいとOSDLは望んでいる。
OSDLのCEOであるStuart Cohenは、「通信機器の製造メーカーがLinuxに移行したことで、大きな価格パフォーマンス効果が生まれた。次は携帯電話分野で同じことが起きると考えられる」と述べている。
携帯電話市場は、調査会社Ovumが2009年の端末売上を28億ドルとも予測する成長株で、当然のことながら、多数の企業がビジネスを営むうえで視野に入れている分野だ。ハイエンド端末などでは、しばしば特別にカスタマイズされたMicrosoftおよびSymbian OSが採用され、大量に市場に出回っているが、Linux協力団体はこれに対抗しようしている。
OSDLに参加している20社の企業には、チップメーカーIntelや組み込みOS企業MontaVista Software、Wind River Systems、PalmSourceなどが含まれている。Cohenは、携帯電話に関する研究開発が数多く進められている中国の北京で、米国時間17日にOSDLの会合が開かれると明らかにした。
小型デバイスおよびネットワーク機器向けLinuxの専門企業であるMontaVistaは、携帯電話用のLinux OSをすでに開発しており、Motorola製端末の一部では実際に利用されている。一方、Wind RiverやPalmSourceがLinux採用を決めたのは、比較的最近のことだ。
Intelは数年来Linuxに力を入れていて、複数のプロジェクトの開発に投資したり、みずから作業に加わったりしている。Linux OSが稼働するコンピュータも、その多くがIntelチップを搭載している。もっとも、デスクトップおよびサーバでは優勢を保っているが、Texas InstrumentsやARM Holdingsといった競合企業の存在する携帯電話向けプロセッサ分野では、Intelは出遅れている。
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