サンフランシスコ発--Palmは米国時間26日、人気の高い同社の携帯電話端末「Treo」でWindowsが動作するモデルを披露した。これはPalm OSの市場が勢いを失ったことを示すものといえる。
当地で行われた報道陣向けのイベントでは、Palm CEOのEd ColliganとVerizon Wireless CEOのDenny Striglに、Microsoft会長のBill Gatesが加わって、この新製品のデモが行われた。同製品はこれまで、ファンサイトで「Treo 700w」と呼ばれていたものだが、Colliganは、同社がまだ名前を発表する段階にないことを明かし、これを単純に「Windows版Treo」と呼んでいた。
今回の動きにより、携帯端末やモバイルデバイス向けのソフトウェア市場でライバル関係にあったPalmとMicrosoftの2社が結束することになる。
「この業界が長ければ、パートナー同士が競合したり、ライバル同士が提携する場合があるのは分かるはずだ」(Colligan)
Palmは以前から、Palm OS以外のOS採用について検討すると述べていた。だが、実際に採用するのは今回が初めてとなる。Colliganは、Palmが新規顧客の獲得につながる場合に限って他のOSの採用を検討する考えであったと述べた。
GatesもColliganと似た考えを述べた。
「多くのモバイルWindowsユーザーは、このデバイスに乗り換えたくなると思う。問題は、この製品の在庫を十分に確保しておけるかどうかだ」(Gates)
Palmは、搭載する予定のメモリ量など、同端末の技術的な詳細を完全には明らかにしなかった。ただし、これにはIntel製のチップが搭載され、Windows Mobile 5.0が動作し、プッシュ型電子メールが利用できるようになることが明かされた。同端末にはカラーのタッチスクリーンとQWERTYキーボードが搭載され、外観は既存のTreosにかなり近い。だが、前画面に戻るためのOKボタンなど、Windowsに特化したボタンもいくつか追加されている。
同製品のデモでは、ラジオ放送受信機能、スキャン読み取りによるスピード発信機能、そしてビデオデッキのようなボタンを採用したメッセージ再生機能などが紹介された。Colliganによると、同端末にはカメラが内蔵され、SDカード用のストレージ拡張スロットも内蔵されるという。Wi-Fiネットワークへのアクセスは、内蔵SDカードスロット経由のみになると、Colliganは説明した。
PalmとMicrosoftは、新型Treoのプロトタイプを26日のイベントで公開したが、両社によると、同製品がVerizonネットワーク上での動作認証を得るには今後もまだテストが必要だという。ただし、VerizonのStriglは、同製品の認証プロセスが「かなり早く」進んでいると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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