Linuxの生みの親であるLinus Torvaldsを擁するOpen Source Development Labs(OSDL)が、新しい課題を優先させたいとして、約6分の1のスタッフを解雇した。
OSDLのCEO、Stuart Cohenは米国時間23日、合計57人のスタッフのうち、9人を解雇したことを認めた。解雇されたのは、Linuxを開発していたプログラマ数人のほか、セールス、マーケティング、事業開発、組織内のシステム管理に携わっていた担当者らだ。
「Center of Gravity(Linux業界の中核)」となることを標榜するOSDLは、新しい計画を優先させたいとして、今回の人員削減を行った。OSDLのマーケティングディレクターNelson Prattによると、OSDLでは、欧州オフィスの設立や、アジア地域での活動強化を今後の重点課題としているという。同氏は、アジアでは、現在の日本から、中国や韓国へと活動拠点を広げるつもりだと述べる。
「われわれは小さな団体だ。大企業では小さな変更と見なされるような事柄も、OSDLでは重大なこととして受け止められる」(Pratt)
Torvaldsをはじめ、リードカーネル管理者のAndrew Morton、Linuxセキュリティコンポーネントの保守を行うChris Wrightは同団体に引き続き所属する。「今もスタッフの半分以上がエンジニアだ」とCohenは述べている。
オレゴン州ビーヴァートンを本拠地とするOSDLは、ベンダー各社やユーザーからの意見を集めながら、Linuxを改良するための取り組みを行っている。同団体が特に力を入れているのは、ハイエンドサーバ、通信機器、デスクトップPCの3つの分野だ。
「ユーザー、ベンダー、コミュニティが集まって、技術や法律、ビジネス、マーケットについて話し合う場に(OSDLが)なればいいと思う」とCohenは言う。「OSDLの作業グループは現在、データセンターやデスクトップLinuxに関する問題の解決に取り組んでいる。OSDLは真の意味で、Center of Gravityになりつつあると思う」(Cohen)
だが、OSDLの役割について、誰もがCohenと同じように考えているわけではない。著名なLinuxプログラマであるGreg Kroah-Hartmanは23日付けの自身のブログのなかで、OSDLを「Center of Gravity」と形容することに異論を唱えた。また同氏は、(OSDLに解雇された)優秀なカーネルプログラマは現在、新しい仕事を探していると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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