OpenOffice.orgがその立ち上げから5年を迎え、オープンソースオフィスソフトウェアスイート「OpenOffice」のバージョン2.0を発表しようとしていたが、直前にバグが発見されたことでリリースを延期せざるを得なくなった。
今回のリリースは、Sun MicrosystemsがOpenOffice.orgプロジェクトを開始してから5年後の米国時間13日に予定されていた。プロジェクト開始当時から、圧倒的シェアを誇る「Microsoft Office」の新たな対抗馬として期待されていたが、OpenOfficeが躍進を見せ始めたのはごく最近のことだ。
同プロジェクトの開発コミュニティマネージャLouis Suarez-Pottsは、開発者らが単純だが深刻なバグを発見し、その修正を行うために、大幅な改良が施された最新版の公開を見合わせたと述べている。このバグは、透過性のない一部の画像要素を誤って透明化させてしまうというもの。Suarez-Pottsによれば、米国時間14日からダウンロードサイトで入手可能になることを予定している製品候補版では、バグを修正しているという。
ほかに大きな問題がなければ、同製品のバージョン2.0は来週にもリリースされると、Suarez-Pottsは話している。
競合するMicrosoft製ソフトウェアが優勢であることに変わりはないが、OpenOfficeも著しい飛躍を遂げている。Microsoftが採用しているプロプライエタリなものとは異なり、同プロジェクトのファイルフォーマットは「OpenDocument」として標準化され、マサチューセッツ州からも全面的な支持を受けている。また、GoogleのCEOであるEric Schmidtは10月、OpenOfficeの配布に協力していくことを明言した。OpenOfficeのウェブサイトによると、同ソフトウェアのダウンロード数はこれまでに4900万を超えており、その大半がバージョン1.0もしくはそれ以降のバージョンだという。
OpenOffice 2.0には、OpenDocumentフォーマットばかりでなく、次のような多くの新機能が搭載されている。
ユーザーインターフェース(UI)が変更された。UIをツール部分と作業エリアに分割できるなど、マルチペイン表示が可能になっている。なお、ツールバーをカスタマイズすることも可能だ。
パスワードを知っていれば、パスワード保護が適用されたMicrosoft Officeファイルを開くことができる。
1つの手紙文書を複数の異なる形式に変更して、多数の相手に送信するための電子メール統合ウィザードが搭載された。
ファイルをPDFにエクスポートする高度なオプションが追加されている。Microsoftも、次の「Office 12」からPDFをサポートする予定だ。
表計算ソフトウェア「Calc」が、これまでの2倍となる6万5536行まで処理できるようになった。これは「Microsoft Excel」が扱えるのと同じ数である。
Javaベースの「HSQLDB」データベースが搭載された。
ドキュメントにデジタル署名を施せるようになった。
「WordPerfect」のファイルをインポートできる。
WindowsのMSIファイルやLinuxのRPMファイルなど、さまざまなオペレーティングシステムの初期インストールフォーマットをサポートしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」