Sun Microsystemsが、欧州連合(EU)によるオフィス文書フォーマットの標準化の取り組みを後押ししている。この取り組みでは、Microsoft製アプリケーションの文書とオープンソースソフトウェアによって作成されたものとを容易に交換できるようにする提案などが出されている。
Sun社長のJonathan Schwartzは、先ごろ欧州委員会(EC)に送付した書簡の中で、SunのStarOfficeをベースにしたオープンソースのスイート製品「OpenOffice.org」が使用するフォーマットを国際標準にするという、ECのInterchange of Data between Administrations(IDA)による勧告に賛同すると述べた。
この提案は、電子文書交換に関して高まる懸念に対応すべくIDAが5月に出したガイドラインの1つ。
Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)では、OASIS Open Document FormatというOpenOffice.orgによるXML(eXtensible Markup Language)処理を標準にすべく既に作業を進めている。
IDAではさらに一歩進め、国際標準としての採用に向けて同フォーマットをISO(国際標準化機構)に提出することを推奨している。
Schwartzはこの書簡の中で、ISOへの提案を支持したほか、このアイデアはSunの関係者がOASISのメンバーに奨励したものであることにも言及した。
「われわれがOASISやISOをコントロールしているわけではないので、うまくいく保証がないことは分かっていただきたいが、現時点では深刻な障害も見えないので、OASIS Open Office XMLフォーマットがISO標準になることに関しては楽観的になれると思う」(Schwartz)
IDAのレポートはまた、ソフトウェアメーカー各社に対して、あるアプリケーションで作成したXMLベースの文書を別のアプリで読むためのフィルタの作成も推奨している。Schwartzは、これを良い考えだとし、SunはStarOfficeの次期バージョンにフィルタを追加し、Microsoftがワープロ文書用に考えた「WordML」や表計算用の「ExcelML」などのXML規格をベースに、OpenOffice.orgとの文書交換が行えるようにすると述べた。
「これらのフィルタは、業界他社も採用および再利用できるようにする。ベンダー各社から新しいソフトがリリースされても、StarOfficeとOpenOffice.org用に新しい互換フィルタを引き続き開発していくつもりだ」(Schwartz)
StarOfficeとMicrosoft Officeの互換性の改善は、Microsoftが今年初めに20億ドルで和解し、提携まで結んだSunとの歴史的な法廷闘争の成果の1つだと考えられている。
だが、このようなフィルタはMicrosoftのソフトウェアには基本的に不要だ、と同社の関係者は語っている。Office 2003は既に、OpenOffice.orgの文書をはじめ、カスタム定義されたどのXMLスキーマの文書でも読み込めるという。
Microsoftは昨年、Officeが採用するXMLスキーマを自由に公開することに同意した。Microsoftの幹部はこれを、相互運用性の問題の大半に対処できるアプローチだとしている。
MicrosoftのXMLアーキテクチャ担当シニアディレクター、Jean Paoliは先ごろEUに送付した公開書簡に、「われわれは、EUのレポートがわれわれのXMLへの投資とオープンでロイヤリティーフリーのアプローチを確証するもの、と見ている」と書いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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