ヤフーは10月13日、PCや携帯電話などの端末向けに開発されたデジタルコンテンツの決済代行サービスへ本格参入したと発表した。「Yahoo!コンテンツストア」のPC版と携帯電話版(http://contentstore.mobile.yahoo.co.jp/)を新設し、複数のコンテンツプロバイダのコンテンツを販売する。
Yahoo!コンテンツストアは、占いやゲーム、電子書籍などのエンターテインメントコンテンツや金融情報などのビジネスコンテンツなど、10月13日現在で59社が提供する17カテゴリ120タイトルの携帯電話向けコンテンツを提供する。今後コンテンツは拡充していくが、2006年をめどにPC向けコンテンツも提供する。
コンテンツの閲覧や検索、購入手続きは、一部を除いてPCと携帯電話のどちらからでもでき、Yahoo! JAPAN IDを取得している利用者であればオンライン手続きだけですぐに購入できる。支払いは「Yahoo!ウォレット」を使う。
ヤフーは、コンテンツプロバイダ各社に課金管理や決済代行などの機能を提供する。コンテンツの価格は、月額継続や都度課金などコンテンツプロバイダが自由に設定できる点が特徴だ。また、コンテンツプロバイダごとに誘導数が異なるなどといった差異や不公平感がでないようにするため、販売するコンテンツを表示する順番はランダムに変わるようにしている。今後、有料で紹介スペースやキャンペーンの告知サービスなどを提供する予定だ。
ヤフーでは、来年予定されている「番号ポータビリティ」制度の導入後に通信事業者を変更する携帯電話利用者が多くなると予想しており、そのため「コンテンツポータビリティ」を合言葉として、コンテンツプロバイダと利用者の双方にとっての利便性を高めるためにデジタルコンテンツ流通サービスへの参入に踏み切ったとしている。
これまで携帯電話向けのコンテンツの決済代行は通信事業者(キャリア)が担ってきたが、この場合、通信事業者を変えてしまうとユーザーはコンテンツを移行できず、1度コンテンツを解約した上で新たに再契約する必要があった。また、コンテンツの代金は月額制で通信事業者が上限を設けている場合が多く、都度課金や高額課金は難しかった。Yahoo!コンテンツストアであれば、ユーザーは通信事業者を変えてもコンテンツプロバイダと再契約する必要はなく、コンテンツプロバイダは柔軟に料金を設定できるメリットがある。
ヤフーは電子メールについても、通信事業者を変えると同じアドレスが利用できなくなることから、携帯電話やPCを買い換えてもアドレスを再設定する必要がないことを強みとして打ち出している。
課金代行の手数料については、「既存の通信事業者より安いということはない。同程度といったところだ」(ヤフーサービス統括部プロデューサーの川邊健太郎氏)としている。
ヤフーの携帯電話向けサイト「Yahoo! モバイル」は月間アクセス数が10月に10億ページビューを超えると見られており、利用者数は500〜1000万人という。この集客力を武器に、今後もコンテンツを拡充する考えだ。
10月13日時点でYahoo!コンテンツストアにコンテンツを提供している企業としては、インデックス、サイバード、jig.jp、タイトー、ナムコ、バンダイネットワークス、ビットウェイ、毎日新聞社、読売新聞東京本社などがある。
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