TBSが有料VODサービス開始--フジ、日テレに追随

藤本京子(編集部)2005年10月12日 18時06分

 東京放送(TBS)は10月12日、ブロードバンド回線を用いた有料のビデオ・オンデマンド(VOD)サービス「TBS BooBo BOX」を11月1日より開始すると発表した。ブロードバンド環境にあるPCや専用受信機(STB:セットトップボックス)を通じて、TBSの持つドラマや映画、ドキュメンタリー、バラエティーなどの番組を動画で配信する。

 番組は、コンテンツ配信事業者を通じて提供される。PCでの視聴は、スカパー!BBやYahoo!BB、BIGLOBE、OCN、So-net、ShowTime、gooなどを通じて提供され、STB経由での視聴は、J:COMオンデマンド、Nextensive VOD、オンデマンドTV、4th MEDIA、BBTV、KDDI光プラスTVなどから提供される。

 配信される番組の本数は100本以上で、合計時間は60時間以上となる。人気アーティストBoAが4月に開催したコンサートの収録や、BS-iにて放映された「ケータイ刑事 銭形舞」などのドラマ作品をはじめ、ドキュメンタリーの「大アフリカ」(BS-i)や「中村宏治のちょっと底まで」、映画作品の「秘密」や「WASABI」(STBのみ)、台湾ドラマの「絶体絶命お嬢様!!」などが配信される予定だ。価格は、100円程度のものから400円程度のものまで幅広い。

 TBSは、1999年2月に自社のウェブサイト上でニュースの動画配信を始めるなど、インターネットを通じた番組配信には積極的な姿勢を見せている。2005年になって同社は、4月にネオ・インデックスと契約し、「Nextensive VOD」を通じて「秘密」と「怪談新耳袋」の2番組を提供したほか、6月にはNTTレゾナントの「gooブロードバンドナビ」にて1966年に放映開始した懐かしのドラマ番組「泣いてたまるか」を提供している。11月に開始するTBS BooBo BOXは、「これまでのこうした取り組みを強化、拡大するものだ」としている。

 「VOD市場はまだ未成熟だが、コンテンツ供給のビジネスチャンスを広げる大きな可能性を持っている。この分野におけるリーディング企業を目指して今後も取り組みを進めたい。過去の実績や経験を踏まえて新たなビジネスモデルを確立し、地に足の着いた事業展開を図る」(TBS)

 2005年に入り、各民放テレビ局はこぞって本格的なVODサービスに乗り出している。7月にはフジテレビジョンが「フジテレビ On Demand」と称してスポーツ番組やバラエティ番組を中心にコンテンツ配信を始めたほか、日本テレビ放送網もVOD事業「第二日本テレビ」を10月27日より開始する。

 その中で、2005年になってVODサービスに関する発表がないテレビ朝日では、「すでにVODサービスはワールドプロレスなどの有料番組配信を皮切りに2002年より開始している」と述べているものの、7月29日の会見にて同社社長の君和田正夫氏は「今後さらに同事業を拡大するかについては、コストや著作権、課金などクリアすべきことを見ながら検討していきたい」としていた。

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