Dellは米国時間5日、ノースカロライナ州ウィンストンセーラム市に建設された1億ドル規模の製造拠点で操業を開始した。しかし、同工場に関してはある訴訟が起こされており、同社は州・地方税額控除のうちの3億ドル近くを返還するよう命じられる可能性がある。
広さ75万平方フィート(6万9677平方m)の敷地を持ち、Dellが米国内に所有する3工場の中では最大規模を誇るこの工場は、税額控除や固定資産税の減額という援助を受けている。この援助が、ノースカロライナ州に住む納税者の負担の上に成り立っていると非難を招いている。
ノースカロライナ州議会は2004年11月、過去最高の2億4200万ドルの税控除をDellに与えることを承認した。これに続き、ウィンストンセーラム市とフォーサイス郡からの助成金がさらに3720万ドルおりることも決定した。これらの措置は、ほかの土地ではなくノースカロライナ州に工場を開設してもらうための動機付けとして、Dellに提供された。
竣工記念式典にはDellのMichael Dell会長とノースカロライナ州のMike Easley知事が出席しテープカットを行ったが、両者ともこれらの助成金については言及しなかった。Dellは、2005年末には同工場において5秒に1台のペースでコンピュータを組み立てられるようになると語った。
Easley知事は、Dellの新工場は今後20年間で合計7億ドル以上の収益を同州にもたらすだろうと話した。
同工場は地元に1500人の雇用を生み出すことを約束しているにも関わらず、非営利団体のNorth Carolina Institute for Constitutional Lawが、フォーサイス郡の7つの中小企業に代わり訴訟を起こした。同団体の代表は元ノースカロライナ最高裁判所判事のBob Orrで、州・地方当局は一私企業に利益をもたらす記録的な税優遇措置に公共の資金を充てているため、この工場の建設は州法に違反すると主張した。
Orrは同時に、彼も同団体もDellの同市への進出には反対しないが、そのやり方を問題視していると語った。
Dell、ノースカロライナ州、ウィンストンセーラム市と同市市長、フォーサイス郡、そして3つの非営利組織がこの訴訟の中で名前を挙げられている。担当弁護士のJeane Doran Brooksによると、North Carolina Institute for Constitutional Law は現在、9月9日に提出された修正訴状に対するDell、州、市からの回答を待っているところだ。裁判の日付はまだ決まっていない。
Dellの広報担当者から訴訟についてのコメントを得ることはできなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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