RSSの根底に流れるマーケティングのこころ--サイドフィード設立の背景 - (page 2)

インタビュー:別井貴志(編集部)
文:藤本京子(編集部)
2005年10月19日 16時39分

--資本金は2000万円とのことですが、資本構成はどうなっているのでしょう。また、株式の公開などは考えていますか。

 資本金はすべて自己資金です。ベンチャーキャピタルからのオファーもありましたが、株式公開や上場は今のところ考えていないので、お断りしました。まったく上場する気がないわけではありませんが、資金調達の計画があっての上場ですから。考えている3年間の事業プランでは、現在の資金でまかなえるので、今は上場する予定はありません。

--サイドフィードという社名の由来は?。

 サイドフィードの「フィード」には、RSSフィードという意味合いがあるのかと思われがちですが、それよりも私は直接的なマーケティングに興味があるため、「エサをあげる」という意味でフィードを使っています。「サイド」の部分は、サイボウズのデータベースエンジン「CyDE(Cybozu Database Engine)」を意識しています。ただし、会社のロゴマークで使っているカジキマグロには、特に意味はありません。

--今後サイドフィードとしてどのような事業を手がけて収益に結びつけていくのか、その計画を教えてください。

 まず2005年8月時点での状況は、MyRSS.jpで約4万サイトをRSS化しているほか、RSSを解析してブログの人気度や更新頻度を表示するfeed meterが月間7000万ヒットとなっています。また、ページがリンクされたことをRSSで通知するtrack feedは、2005年2月にサービスを開始したばかりですが、すでに月間9000万ヒットとなりました。このように、RSSに特化している企業にも見えますが、まずはRSSが便利だからこの技術を使ったサービスを提供しているというだけなのです。先ほども言ったように私が興味を持っているのは“マーケティング”なので、その方面で事業を展開できればと考えています。

 企業にとって重要なことは、サイトを見た顧客が、その企業の事業や商品に興味を持ち、企業を信用し、リピーターになってくれることです。これまでは広告を出して顧客を引きつけ、信用はブランドで勝ち取るという方式で、商品とはまったく別の場所でブランドイメージを顧客に植え付けていました。また、一度獲得したメールアドレスにひたすらメールを送ることで、顧客の継続性を維持してきました。

 今後は、ユーザーが特定されない形でのマーケティングが発展すると思っています。それに必要なのがRSSなどのフィードです。情報感度の高い口コミユーザーに向けてRSSで情報を提供し、宣伝するといった手法が普及するのではないでしょうか。

 サイドフィードとして提供したいサービスは、こうしたマーケティングにおける効果測定の方法です。マーケティングにはこうした効果測定が必要だと提案し、それを商品化したいですね。

ベンチャー企業の集まるオフィスを間借りして営業を始めた

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