Hewlett-Packard(HP)の最高経営責任者(CEO)Mark Hurdは米国時間7日、ニューヨーク証券取引所でHP株主に向けて異例の会見を開き、同社の戦略について概要を語った。
HPのCEOとしての役割に馴染んできたことを示すかのように、Hurdは同社の製品ラインアップや最近発表したリストラについて、またIBMやDellに対するHPの位置づけなどについて語った。また自分が半年前に同社にやってきたときに意外に感じたことについても語った。
同社の新しい方向性についてごく一般的な説明をする中でHurdは、詳細については、株主も同社が年に1度のアナリスト報告会を開催する12月13日まで待つ必要があると言った。
業界観測筋や投資家は、Hurdがどのような戦略的方向性をとるのかを知りたがっている。特に、同社は2カ月弱前に大規模なリストラに着手したばかりだ。
Hurdによると、HPがとる戦略の概要としては、同社をインフラストラクチャーテクノロジー企業にすることだという。そのため、同社は研究開発に膨大な費用を投入し、ライバルのDellと違いを示すという。また、当面は、ビジネスプロセス分野に集中するIBMには対抗しないつもりだともHurdは述べた。
「DellとIBMは、HPと全く異なる企業だ。IBMの事業は、ビジネスプロセス分野が主だ。しかし、HPは、技術と研究開発を重視する企業だ。われわれは、Dellに比べ、多くの費用を研究開発につぎ込んでいる」とHurdは述べ、HPが業界トップのDellとIBMの間に挟まれてしまったと感じているかという株主の質問に答えた。一方、Hurdは、今回のリストラの一環として、HPが4つの研究プロジェクトを中止し、優秀な研究開発リーダーを1人解雇したという事実を無視することはできないとも言った。
どの事業を継続し、どの事業を売却し、どの事業に財源を再配分するかを判断するにあたり、HPでは、成功している事業がそうでない事業の面倒を見ることがないようにする予定だとHurdは述べた。
「複数の事業部を抱える企業では、おかしな力関係が発生しがちだ」とHurdは言う。「ある四半期に(収益目標を)達成できそうにない場合、好調な事業部には電話をしてもっとがんばれと言い、成果の上がっていない事業部には改善を求めないというような動きだ。改革は改革が必要な場所で行うべきだ。長期的に見て最善の機会に恵まれている事業を損なうようなことはすべきではない」(Hurd)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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