株価も「完全復旧宣言」のカカクコム

 カカクコムの穐田誉輝社長兼CEOは8月2日、同社が運営する「価格.com」のサービスがほぼ完全に復旧したと発表した。これをキッカケに、同社の株価は8月8日の安値83万8000円を底に急速に反発に転じ、8月29日には118万円(8月8日に比べた上昇率は約40%)まで上昇した。その株価上昇の背景と、今後の動向を探った。

 同社のグループは、インターネット上の様々な商品やサービスの価格をはじめとした購買に必要な情報を提供しているサイト「価格.com」や、当日限定のインターネット宿泊予約サイト「yoyaQ.com」などを運営している。こうしたなかで、「価格.com」は5月14日、不正アクセスによるプログラムが改ざんの被害を受けたことから、サイトの一時閉鎖に追い込まれた。その後急遽、複数の情報セキュリティ対策企業にサイトの監視や改ざん対応などについて依頼し、スピーディーな対応に務めた。この時点では、一時的なサイト閉鎖に伴う出店店舗の満足度低下による店舗数の減少懸念、予期していない多額のコストの増加などが想定されたことから、株価は96万円水準から5月18日には78万円まで売り込まれる場面もあった。

 しかし、サイトを一時閉鎖して以降の同社の対応が迅速かつ丁寧であったことが功を奏して、出店店舗数は4月末で集客サポート674店舗、販売サポート41店舗、情報提供64店舗、yoyaQ114店舗であったが、撤退した店舗は1店舗もなかった。また、月間ユーザー数は、4月に650万人弱あったものが、5月には一時的に470万人程度に急減したものの、6月には580万人に回復、さらに7月には640万人と短期間での回復をみせ、同社の運営するサイトのメディアパワーの強さを示す結果となった。

 確かに、2006年3月期の第1四半期(4〜6月)の単独決算は、売上高4億1900万円(前年同期比2.7%増)、経常利益7300万円(同59.3%減)の減収減益を強いられた。しかし、これはサービスが停止していた約2カ月半のネット広告売上高の減少や出店店舗に対する出店手数料の免除、情報関連セキュリティ対策費の計上などの、想定の範囲内での一時的な売上減少や経費増に止まっていることから、今期の通期業績は第2四半期以降順調に回復するものと見込まれる。

 2006年3月期通期の連結業績について会社側では、売上高31億円(前期比47%増)、経常利益(同16%増)、純利益4億9000万円(同3%増)としているが、実際には上方修正される可能性が高そうだ。

 同社は8月10日に、9月末日現在の株主を対象として、従来の1株を3株とする株式分割を実施すると発表した。この発表も短期間での株価の急速な回復への大きな支援材料となっているようだ。現在株価は、ほぼ110万円台での推移となっているが、中期的には140万円台(株式分割以降は50万円台)に接近する株価水準での推移が予想されそうだ。

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