価格比較サイト「価格.com」の不正アクセス事件から約1カ月経った。そして、同サイトを運営するカカクコムは、「サイトを一時的に閉鎖した影響がすぐにはつかめない」ということで当初発表予定だった業績予想を先のばしにしてきたが、1カ月遅れの6月15日に影響を考慮したうえで公表した。
これによると、2006年3月期の連結業績予想は、売上高が31億5000万円(前期比47.3%増)と大幅に伸びる。利益も、経常利益が9億2000万円(同16.5%増)、純利益が4億9000万円(同2.5%増)と売上高の増加よりは劣るものの堅調な伸びだ。
この中で、サイトの一時閉鎖に伴う業績への影響については、売上高で1億5000万円〜2億5000万円程度を見込んでいる。しかし、この一方で、金融事業や他の価格比較コンテンツのリリースを順次行って新たな収入源を確保するうえ、完全子会社化したフォートラベルを軸とした旅行事業を加速させるとしている。
会社側の業績見通しがはっきりしたことで、株価はどういう反応だったのか。6月16日の株価は、前日比1000円高の88万3000円と、なんと8営業日連続で値上がりしている(グラフ)。不正アクセス事件以降の6月6日に付けた直近安値79万円から、8日間で12%も上昇している。サイトが再開されたのは5月24日だったが、それ以降も業績への影響など先行きが懸念されたことから下げ止まらなかったわけだ。
こうした株価の推移を見ると、3月以降の85万5000円〜95万5000円程度の事件前のレンジへ、とりあえず回帰する動きのようだ。不正アクセス事件によるショック安(5月14日〜6月6日の下げ幅)に対して、直近6月16日までに55.4%と半分以上戻している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス