「垂直統合型の事業は限界」--ソフトバンク、携帯電話事業のオープン化を主張

藤本京子(編集部)2005年07月13日 23時55分

 「ワイヤレスブロードバンドで顧客の利便性を向上するには、市場の更なる拡大とビジネス環境の活性化が必要となる。そのためには、新規事業者や多業種プレーヤーの参入が不可欠だ」。7月13日から開催された「Wireless Japan 2005」の基調講演にて、ソフトバンクBB 常務取締役の宮川潤一氏は、同社が新たに参入しようとするワイヤレスブロードバンド市場に変革をもたらそうとする意気込みを語った。

 ソフトバンクグループは、ADSL接続サービスやIP電話、無線LANサービスに加え、日本テレコムの買収によって固定電話市場にも参入し、サービスの幅を拡大してきた。今後携帯電話サービスにも参入することで、宮川氏は「総合通信会社としてワンストップであらゆる通信サービスを提供し、顧客満足度ナンバーワンの企業を目指したい」と述べ、「固定と無線のプラットフォームを融合し、ユビキタスなブロードバンド基盤を作り上げたい」と抱負を語った

携帯電話市場のオープン化を主張するソフトバンクBB 常務取締役の宮川潤一氏

 ただし、ワイヤレスブロードバンドのビジネスにおいては、これまで端末からプラットフォーム、コンテンツまでをキャリアが独自で展開していた「垂直統合型」の事業モデルではなく、「端末メーカーやSI業者、コンテンツプロバイダ、回線事業者がニーズに基づいて自由に事業を展開できるオープンな『参加型の事業モデル』を構築する必要がある」と宮川氏は語る。

 それは、垂直統合型の事業モデルが限界に来ているためだ。宮川氏は、顧客ニーズが多様化、複雑化し、パーソナルな対応ができなくなっていることや、携帯電話市場にはキャリアが3社しか存在せず、顧客にとって選択の自由がほとんどないこと、市場への参入障壁が高くて簡単に新規事業者が入り込めないことなど、現状の問題点を挙げた。そのうえで、「オープンな参加型の事業モデルを採用することで、より多くの顧客にさまざまなコンテンツやサービスを提供でき、多様なニーズに応えられる。また、市場がオープンになることで、自由競争が促進され、柔軟なビジネス体系が構築できる。さらには、多くの事業者が電波を分かち合うことで、限られた電波の有効利用が可能となる」とした。

 オープンな事業モデルとしては、イー・アクセスやYOZANのほか、ボーダフォンも自社インフラをMVNO(仮想移動体通信事業者)に対して貸し出すとしている。そして、宮川氏は「ソフトバンクがこうした事業を展開することもありえる」とした。ただ、対象となる企業の例として同氏は、イー・アクセスがISPを中心にMVNO事業を展開するケースとは違い、「コンテンツプロバイダやゲームメーカーなど、モバイル市場でサービスを展開できれば便利だと考える企業に対してモジュールなどを提供したい」と述べた。

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