Microsoft会長のBill Gatesが、Xboxゲーム機の中枢部を他社にライセンス供与する可能性をほのめかしたが、ソニーのPlayStationとの競争で優位に立つことを狙ったこの動きについて、あるアナリストはリスキーだと述べている。
日本経済新聞とのインタビューのなかで、MicrosoftがサードパーティーへのXbox製造委託を検討する可能性について尋ねられたGatesは、「具体的な話は何もない」としながら、同社がパートナー企業各社との間で、Xboxの市場を拡大する方法に関して、常に話し合っていると述べた。
Gatesは、Microsoftが提携の可能性を検討している相手企業の名前や、ライセンスを携帯端末、PC、あるいは家庭用デジタルメディアセンターなど、各種電子機器の基盤ソフトウェアにまで拡大するのかどうか、などの詳細は明らかにしなかった。
ゲーム機市場のシェアでは、現在ソニーのPlayStationが首位を走り、MicrosoftのXboxはそれに続く第2位、そして任天堂のGameCubeが第3位となっている。NTP Groupの最新の統計によると、PlayStationの市場シェアは60%を超えており、Xboxは29%、GameCubeは11%だという。
これらの3社は、いずれも次世代ゲーム機の投入準備を進めている。MicrosoftのXbox 360は今年中に発売される見通しで、ソニーのPlayStation 3と任天堂のRevolutionは2006年に登場するとみられている。
今回、サードパーティへのライセンス供与の可能性が示唆されたことについて、Xboxの開発にかかわるMolly O'Donnellは、MicrosoftだけがXboxを製造するとする同社の立場を繰り返した。
「確かに、将来的にほかのハードウェアベンダーがXboxを製造する可能性はあるが、現時点ではそうした可能性は重視していない」(O'Donnel)
Xboxの基盤となるソフトウェアを他社にライセンス供与することが、Microsoftの能力を超えているということではない。実際に、同社はWindows OSをPCメーカー各社にライセンスし、輝かしい成功を収めている。
しかし、ゲーム機業界では、ソフトウェアをサードパーティにライセンスするといた例はこれまで存在していないことから、JupiterResearchのアナリスト、Michael GartenbergはMicrosoftにとっては大きな冒険になるだろうと述べている。
「Microsoftが売上拡大のために、従来と違うことを考えているのは間違いない。MTVの番組を使ってXboxを披露したのは、そうしたこれまでにない考え方を示す一例だ」とGartenberg。「Microsoftでは、PCのビジネスモデルとビデオゲームのモデルとを組み合わせた、ハードウェアに関する新しいモデルを試そうとしているように思える」(Gartenberg)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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