SAPは米国時間22日、製造業向けビジネスツールメーカーのLighthammer Software Developmentを買収することで合意したことを明らかにした。
SAPはLighthammerの買収により、マニュファクチャリング・インテリジェンス・ツールと呼ばれる分析ソフトウェアや、製造業向けコラボレーションツールなどの市場における自社の地位を向上させられるとしている。
SAPにとって、製造業は長い間、得意分野であった。同社はこの分野でManugistics Groupやi2 Technologiesと競合する。SAPによると、同社は現在、1万2000社以上の製造業種の顧客を抱えているという。
SAP幹部によると、今回の買収により、同社の製造業種に対する製品提供能力が改善されるという。同社が提供を予定しているのは、メーカー企業の管理部門と、工場や倉庫などの業務部門の間の情報連携を支援する製品だ。またSAPによると、Lighthammerの技術は、SAPのERPシステムを製造業向けの他のアプリケーションと連携させるうえで役に立つという。
SAPのマニュファクチャリング部門担当バイスプレジデンドSudipta Bhattacharyaによると、顧客企業は以前より、業務を合理化することや、ビジネス・インテリジェンス・ツールを既存の企業システムへ効果的に導入することについて、効率的な方法を探しているという。Lighthammerの買収は、こうしたニーズをSAPが満たすうえでの手助けとなるだろうと、Bhattacharyaは考えている。
「SAPでは、アダプティブ・マニュファクチャリング戦略を通して、メーカーやその従業員たちのために、作業現場の様子を可視化することを目指している。また、サプライチェーン業務と効果的に連携し、予測不可能な需要に対処することも視野に入れている」とBhattacharyaは述べる。「Lighthammerとともに、SAPは、これまでより素早く現場の問題を把握するための基礎を築いてゆく。顧客は、業務効率を向上させられるほか、アプリケーション同士を接続させるためのコネクタを独自に開発する必要がなくなるので、コストを削減することができる」(Bhattacharya)
Lighthammerは既に自社サイト上で、SAPをトップレベルの戦略的パートナーと位置付けている。また、Bhattacharyaによると、Lighthammerの顧客のおおよそ70%は、SAPの顧客でもあるという。
Bhattacharyaは、ソフトウェアのカスタマイズに対する需要や、商品の複雑さを減らすことが、製造業に携わる企業に共通する最大の問題だと述べた。
「多数のソフトウェアシステムをもち、数多くの拠点で製造業務を行う企業にとって、インテグレーションは依然として大きな課題である」(Bhattacharya)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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