SAPは新たに数人の幹部を採用したが、このなかにはライバルのOracleやSiebel Systemsから引き抜いた人材も含まれている。
既報の通り、SAPはOracleやSiebelなどのライバル企業から人材を集め、自社の体制強化に取り組んできた。Siebelは過去数四半期にわたって売上が予想に届かず苦戦を続けてきており、一部の株主からの批判も止んでおらず、また最近では従業員つなぎ止めのためのプログラムを立ち上げた。一方、Oracleは数多くの製品を統合する作業に手こずっており、PeopleSoftやRetekの買収で獲得した人員の統合も進めなくてはならない状況にある。
SAPは米国時間20日、この1年半であわせて200人を超える社員を競合他社から獲得したと発表した。これらの人材採用の多くはシリコンバレーで行われたという。
新たにSAPに加わった人材のなかには、Siebel出身のNimish Mehtaなど、業界内で名前の知られた人物も混じっている。MehtaはSAPでエンタープライズ情報管理を担当するシニアバイスプレジデントに任命された。同氏は、構造化/非構造化データの取り扱いに重点を置いた製品戦略の策定/実行に注力することになる。同氏は、Siebelで顧客データ統合担当グループバイスプレジデントを務め、それ以前はOracleに10年以上在籍していた。
同じくSiebelからは、SAPの業界ソリューションマーケティング担当シニアバイスプレジデントに就任したRichard Campioneと、製品/技術グループのシニアバイスプレジデントに就任したBob Stutzも移籍している。Campioneは、Siebelで財務サービスおよび公共セクターグループのゼネラルマネージャを務めた人物で、Stutzは各業界に特化した製品の販売に取り組んでいた。
Oracleから、国際団体プロジェクト開発担当バイスプレジデントに就任したMike Mayer、製品/技術グループのユーザーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントに就任したDan Rosenbergが移籍した。MayerはOracleで国際プロジェクトのシニアディレクターを務めた経験を持ち、Rosenbergはユーザビリティ設計部門の研究開発担当バイスプレジデントを務めた。SAPによると、両者は10年以上Oracleに在籍していたという。
もう一人のOracle出身幹部がJohn Zepeckiで、同氏はxAppsソフトウェア部門の製品担当バイスプレジデントに就任する。同氏はPeopleSoftでエンタープライズパフォーマンス管理の開発担当バイスプレジデントを務め、2003年にPeopleSoftがライバルのJ.D. Edwardsを買収した際には、取得した技術の統合を担当した。
SAPは今回、アプリケーションサーバメーカーのBEA Systemsからも人材を獲得している。同社は、製品・技術グループの応用技術担当バイスプレジデントに元BEAのCTO代理のGordon Simpsonを任命した。
アプリケーションおよびデータベース管理ツールを提供するQuest SoftwareからSAPに加わるDoug Merrittは、スイート最適化担当のゼネラルマネージャの座に就く。
この他にも、SAPは最近、プラットフォーム・エコシステム開発担当シニアバイスプレジデントをGeorge Paoliniを採用している。Paoliniは、1月にアプリケーション開発ツール大手のBorland SoftwareからSAPに加わった。Borlandではゼネラルマネージャを務めた同氏は、それ以前に勤務したSun MicrosystemsでJava開発コミュニティの構築で発揮した手腕が高く買われていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス