「けしからんとは言われなかった」--小林社長が語る、ニコニコ動画と権利者との関係

永井美智子(編集部)2008年05月09日 19時41分

 「ゲームをプレイしている動画がニコニコ動画に掲載されています、人気が出ていますという話を2007年3月の段階で主要なゲームメーカーにしたが、これはけしからんという話はなかった」――ニコニコ動画のシステムを開発しているドワンゴの代表取締役社長、小林宏氏は、ニコニコ動画に関する著作権者との関係について、このように話す。

 ニコニコ動画は利用者が自由に動画を投稿できるため、著作権者の権利を侵害するようなコンテンツも上がっている。運営者のニワンゴは著作権者から申し立てのあった動画を削除しているが、権利侵害の動画がなくなってはいない。 小林氏によると、2007年から著作権者との話し合いを続けているといい、その反応は企業によって大きく違うという。「音楽関係の著作権者は、該当動画を削除してくれ、というところもあれば、もっとうまく一緒にやりたいというところもあり、千差万別だった」(小林氏)

 もっとも権利侵害動画に対して厳しい態度を取っているのが放送局であり、許諾契約を結ばない状態では認めるわけにいかないという態度を示したのが社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)だった。このため、ドワンゴは3月、放送局6社に対して、著作権を侵害している放送番組を削除すると表明。また、4月にはJASRACと楽曲使用に関する包括契約を交わした。

 「『そんなサービスをやめろ』という企業はなかった。『やめろとまでは言わないけれども、(対策を)ちゃんとやってよ』と言われた。ちょっと前ならば訴訟の嵐を受けて沈没していただろうが、いまは時代がこういうものを要請、認知していると感じている」(小林氏)

 今後は、権利者との話し合いを進め、公式コンテンツとして動画を提供してもらえるように交渉していく考えだとした。

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