Oracleは米国時間16日、同社の進める中小企業向け戦略において、新たな顧客や提携先を獲得したことを発表した。SAPも今週同様の発表を行う予定だったことから、一部の業界観測筋は、Oracleのこの動きをSAPに対する先制攻撃であるとみなしている。
Oracleは、ここ数カ月間で「Oracle Database Standard Edition One」の導入を決めた顧客の名前を発表した。これには、製造/保険/ハイテク/出版業界の企業が含まれている。Oracle Database Standard Edition Oneは、同社のデータベースパッケージの中小企業向けバージョン。同製品の機能や価格は、中小企業や大企業の部門に導入されることを想定したものになっている。
Oracleによると、中小企業向けのビジネスアプリケーションソフト「E-Business Suite Special Edition」の売れ行きも好調だという。この製品は、 在庫管理、購買、電話営業などの業務向けにあらかじめ設定されたビジネスプロセス管理ツールをバンドルしたものだ。なお、Oracleでは、売上高ではなくソフトウェアプロジェクトの規模によって、顧客企業を分類している。
Oracleは同日、新しいチャネルパートナー10社も発表している。これらのパートナーは、Oracleが中小企業に製品やサービスを提供するのを支援する役割を担う。規模の小さな顧客に製品を販売するうえで、チャネルパートナーとの関係作りは非常に重要だと言われている。新しくOracleのチャネルパートナーに加わった企業はBizTech、Corporate Solutions、Dataweb、Nascent、SOA Softwareなど。
OracleはライバルとしてSAPを強く意識している。SAPは、米国時間17日より米ボストン州で開催されるユーザーカンファレンス「SAPPHIRE '05」で、中小企業向けの製品やサービスの計画を発表することになっている。大企業の間で高性能な業務アプリケーションに対する需要が鈍化していることを受け、OracleとSAPの両社は、数年前から中小企業向け市場におけるプレゼンスを高めようとしている。
「われわれは、中小企業向け市場で(SAPと)競合し、競争に勝っている。長い間SAPの顧客だった企業がOracleに乗り換えた例も複数ある」とOracleのマーケティング担当バイスプレジデントFrank Prestipinoは述べた。「この市場の企業は、SAP製品を導入しようと一度決めても、導入の過程においてSAP製品の扱いづらさに気付く。そこでOracleの出番となる」(Prestipino)
Prestipinoはまた、Oracleが行った今回の発表のなかで、最も大きなニュースは同社がパートナーを獲得したことになるだろうと述べた。以前から中小企業は、ソフトウェアベンダーが提携するチャネルサプライヤーの質を重視する傾向が強い、とPrestipinoは付け加えた。
「(パートナー企業は)Oracleの中小企業戦略において重要な役割を果たす。われわれはできるだけ効率よくチャネルを構築しようと取り組んできた」(Prestipino)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」