これぞベンチャー? ドリームバイザー・ドット・コムのIPOが人気

別井貴志(編集部)2005年06月07日 20時27分

 2005年のインターネット関連企業の新規上場(IPO)が好調で、人気を集めている。6月7日に東京証券取引所マザーズ市場に新規上場したドリームバイザー・ドット・コムもその1つだ。個人投資家向けにインターネットを通じて株価やニュースなど金融証券市場の情報を提供しているほか、投資支援アプリケーションツールも提供している。

 公募価格50万円に対して、朝方から大きく買い物を集めて、初日の取引は終値でも値がつかない人気ぶり。買い気配は2倍の100万円まで切り上げた。

 個人向けの金融情報サービス企業として初めての上場となったほか、主幹事証券はマネックス・ビーンズ証券で、オンライン専業証券会社が単独で主幹事になったのも初めてのことだ。さらに、従業員数が5人というのも、これまでで最小規模といえよう。

 なお、マネックス証券は2002年2月18日に大証ナスダック・ジャパン市場(現ヘラクレス市場)に上場予定だったソースネクストの主幹事を、UFJキャピタルマーケッツ証券(現UFJつばさ証券)と共同で務めたことがあった。しかし、上場直前になって「上場前の中傷文書の投げ込みについての調査を大証から中央青山監査法人が依頼されたが、この調査に時間がかかり、上場日までに結論が出なかった」として主幹事証券みずからが上場の推薦書を取り下げ、2月15日に上場そのものが取り消されたという過去がある(その後の調査で、会計処理に問題がないとの報告が中央青山監査法人よりされている)。

 ドリームバイザーは、オンライン証券会社がぞくぞくと誕生した時期の1999年12月に設立された。有料会員制で、投資情報や投資ツールを提供するが、当時から動画を使った情報提供には力を入れていた。

 代表取締役の川崎潮氏は、1997年8月〜1999年12月までフランスを本拠とするソシエテ・ジェネラル証券東京支店投資情報部で、数量分析に基づく投資や市場分析を行うクオンツアナリストを担当していた。当時、日本で初めてとなる日本企業30社で構成されたインターネット株価指数「SG e-index Japan」を開発したことでも知られる。

 会員からの直接収入のほか、システムや情報を証券会社や他のメディアなどへ提供するライセンス収入もある。2005年6月期の業績予想は、売上高が3億100万円(前期比39.3%増)、経常利益が1億2500万円(同53.0%増)、純利益が1億1400万円(同40.7%増)を見込む。設立から4期目にあたる2003年6月期に黒字化して以来3期連続黒字で、さらに2桁の大幅な伸びを示す見通しだ。

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