お笑いにもインテル入ってる--デジタルホーム構想で吉本興業と協力

藤本京子(編集部)2005年06月01日 19時51分

 インテルと吉本興業は6月1日、デジタルコンテンツの普及拡大において協力すると共に、インテルの投資部門であるインテル キャピタルが、吉本興業の関連会社でコンテンツ制作や配信を行う米Bellrock Media(BRM)に出資すると発表した。

 インテルと吉本興業は、ブロードバンド環境において、インテルのプロセッサ技術と、映像やサウンドの再生機能を備えたデジタルホームPCを普及させるため、こうした高性能PCで楽しめるコンテンツの制作を共同で推進する。この提携の一環として、インテルと吉本興業の関連会社BRMは、吉本興業の所属タレントであるインパルスを主役とした約5分間のショートムービー「代打 ONO」を制作した。

 代打 ONOは、インテルと吉本興業が開設した特設ウェブサイト上にて無料で観賞できる。ハイデフィニション画質で撮影されているため、「高性能なデジタルホームPCやブロードバンド回線、大画面テレビなどと組み合わせると、映像の画質や音の迫力を十分に楽しめる」と、インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏は説明した。

ショートムービー主演のインパルスに囲まれて握手するインテル社長の吉田和正氏(中央左)と吉本興業社長の吉野伊佐男氏(同右)
 吉田氏は、「インテルはプロセッサ技術の開発をするだけでなく、こうした技術をどうすれば多くの人に使ってもらえるかについても同様に力を入れている。インテルのデジタルホーム構想は、ユーザーが家の中でいつでもどこでも、機器を問わずにコンテンツを楽しめるようになることを目指したものだが、デジタルホーム構想を実現するには魅力あるコンテンツの充実が不可欠だ」と、今回の提携の背景を説明した。

 吉本興業 代表取締役社長の吉野伊佐男氏は、「ブロードバンドの発展は、新たなビジネスチャンスとなる。これまで吉本興業は、主にテレビ番組や劇場などでライブコンテンツを提供していたが、ブロードバンドは新たな情報発信の場を提供してくれる。吉本興業ではコンテンツ制作のノウハウも、楽しいコンテンツ作りに欠かせないタレントも十分に抱えている。こうしたリソースを新時代のコンテンツビジネスに活かしたい」としている。

 インテル キャピタルの出資するBRMは、吉本興業グループ会社の米Fandango U.S.A.、フェイス、CSロジネットなどが出資し、2005年1月に米国で設立されたデジタルコンテンツの制作や配信を行う企業だ。その日本法人であるベルロックメディアは、動画に特化したオリジナルコンテンツおよびスポンサードコンテンツの企画や制作、配信を行うほか、音楽CDやDVDの配給、国内外の有力なデジタルコンテンツの権利獲得などを行う。まずは、吉本興業グループが制作する音楽CDやお笑いDVDなどを6月より配給する予定だ。

 出資額などは明かされていないが、インテル キャピタルは投資資金2億ドルの「インテル・デジタルホーム基金」を通じてBRMに出資する。インテル・デジタルホーム基金では、今回のようなコンテンツ制作会社のほか、これまでにも映像や音響技術、デジタル著作権管理などを行う企業に出資している。

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