ラジオ業界を震撼させる「Mr.ポッドキャスティング」 - (page 3)

Alorie Gilbert(CNET News.com)2005年05月27日 15時19分

--具体的な方法を教えてください。

 やり方はいろいろありますが、確実に可能だといえるのは広告ビジネスです。ポッドキャスティングの特長のひとつは、ブログと違い、持ち運びができることです。ポッドキャストを聴くときは、PCの前に座っているわけではありませんから、バナー広告をクリックするという方法は使えません。ポッドキャストは耳から入ってくるものなので、自転車に関するポッドキャストであれば(実際に2つあります)、自転車メーカーがCMを流したり、スポンサーになったりすることが考えられるでしょう。

--ポッドキャストに企業スポンサーがついた例はあるのですか。

 あります。先日はWarner Filmsがわれわれのネットワークを通して、大規模なプロモーションを行いました。大手コンドーム・メーカーのDurexも「Dawn and Drew Show」のスポンサーになっています。

--あなたはポッドキャスティングに投資し、そして先ほどの話にもあった通り、それをビジネスにするために、BoKu Communicationsという会社を設立しました。資金はどの程度あるのですか。

 必要なだけはあると思います。

--具体的には。

 公開企業ではありませんから、具体的な数字は公表していません。

--これからはあなた以外の放送関係者も、ポッドキャスティングに参加するようになるのでしょうか。

 そうなるでしょう。われわれは放送関係者の参入を待ち望んでいます。BBC Radio 4で35年のキャリアを持つPeter Dayが、ポッドキャスティングを始めると聞いたときは興奮しました。コンテンツの一部は、過去にラジオで放送されたものとなるでしょうが、それはそれで構いません。NPRやBBCの中にも、気に入っている番組はありますからね。番組の放送時間に合わせなければならないのがいやなのです・・・番組の内容をダウンロードすることができるなら、都合のいい時間にMP3プレイヤーで聴くことができます。

--ポッドキャスティングの拡大によって損害をこうむるのはラジオ局でしょうか、それともレコード業界でしょうか。損をするのは誰だと思いますか。

 すべての人が利益を得るはずです。誰も犠牲になる必要はありません。

--しかし、レコード業界は損害を受けるのではありませんか。リスナーはCDやiTunesの楽曲を買う代わりに、ポッドキャスト経由で楽曲ファイルを手に入れるかもしれません。それを防ぐことはできるのでしょうか。

 あなたがいっているのは音楽放送の話ですね。現在の仕組みでは、楽曲を放送する権利を獲得できるのはラジオ放送局だけです。ポッドキャストの制作者にはその術がありません。ですから、当然かつ自然の流れとして、われわれはこう考えました。「すでにレコード会社が契約済みの楽曲を使えないなら、アーティストがポッドキャストでの配信を許可し、インターネット上で公開している楽曲を使うことにしよう」

--著作権法を無視して、ウェブ上で音楽ファイルを交換している人もいます。ポッドキャスターたちも、使用を禁じられている楽曲を使いたいと思うのではありませんか。

 いいえ。われわれはそれをすれば違法行為になることを認識しています。RIAA が大学生を相手取って数十万ドルの訴訟を起こしたことも、それが違法行為であるというメッセージをはっきりと伝えるものでした。そのような行為に手を出すつもりはありません。

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