最近にわかに注目を浴びているポッドキャスティングと、ユーザー数が急増している無償VoIPソフトのSkypeを組み合わせて、iPodに保存したデジタル音楽などを共有するユーザーが増えている。
自ら「スカイプキャスター」と名乗るこれらのファンたちは、現在ブームになっているポッドキャスティングのアイデアを大いに借用しながら、Skypeのピアツーピア(PtoP)電話ネットワークを使って、録音したデータを直接互いに配信し合っている。ポッドキャスティングとは、ウェブサイトで公開したデジタル録音をAppleのiPodなどに自動配信するもの。
スカイプキャスターが増えつつあることを示す逸話もあるが、ただしこれを実践するには、高いレベルの技術的なノウハウが必要とされるため「普通の人には無理」だと皮肉るユーザーもいる。しかし、スカイプキャストの方法を説明しているSkypeJournalには、「この技術の影響で、大混乱が起こる可能性がある」と書かれている。「多くのSkypeユーザーは、Skypeでの会話を録音して、それをポッドキャストしたいと考えている」(同サイト)
Skypeは、新しいVoIP関連企業の最大手。VoIPとは、電話を電子メールやウェブなどの一般的な各種インターネット通信データを同等に扱うことにより、インターネット回線を通じた通話を実現する技術を指す。Skypeは自社のVoIPソフトウェアを無償で提供し、インターネット上で完結する通話は無償としている。同社はまた、1分約2セントで携帯電話や加入者電話に電話をかけられるプレミアムサービスも提供している。
同社のPC間インターネット通話サービスには、すでに2900万人のユーザーが登録している。また同社は、PCから加入者電話に電話をかけられる有償サービス「SkypeOut」も提供しているが、2004年7月に始まったこのサービスのユーザー数が、今月に入って100万人に達したと述べていた。Skypeは、55万人以上の加入者がいる世界有数の商用VoIPプロバイダーVonageや、独自に商用VoIPサービスを提供する一部のケーブル通信事業者などとある程度まで競合している。
SkypeのPtoP通信インフラは、インターネット電話を放送システムとして利用するのに適しており、スカイプキャスターが現在行っているのはまさにこうした行為だ。
このほか、 Unbound SpiralやMoodleなどのサイトでは、スカイプキャスターらがiPodをラジオ局に変え、2900万人いるSkypeのユーザー向けに放送を流すなどの可能性も説明している。また、自分で考えた昼メロを録音し、それをSkypeを使って大勢の人に配信する方法についての説明もすでにある。さらに不吉なことに、スカイプキャスターのなかには、Skypeを使って交わした会話を録音し、それインターネット上で公開している者もいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」