野村総合研究所(NRI)は5月19日、今後5年にわたる日本の情報技術の進展を予測した「ITロードマップ」を発表した。同ロードマップでは、ADSLの伸びの終息と光ネットワーク技術の本格展開を予測すると共に、2005年前半に注目すべき技術として、有線通信分野における1Gbpsの光サービスの始動、無線通信分野における携帯電話のブロードバンド化、通信事業者におけるIPv6の本格展開を挙げている。
ITロードマップ(下図参照)によると、有線通信については、2005年が100Mbps超高速ネットワークへの移行時期で、IP電話のほかに映像配信やテレビ会議等の映像アプリケーションサービスの拡大が見込まれる。また、2005年後半に始まる1Gbpsの光サービスは、2008年には普及期を迎えて2009年にはより高速なギガサービスが始まるとしている。
無線通信では、2006年にかけて携帯電話の通信速度が数Mbpsとなることを予測している。2005年後半には次世代3.5G携帯電話の実用化が始動し、その1年後には普及期に入る。2010年には100Mbpsを実現する4G携帯が始まるとしている。
また、2004年に登場した非接触ICカードやBluetooth、無線LANといった無線インターフェース搭載の携帯電話の登場で、ユビキタスネットワークの実現に一歩近くと共に、ラストワンマイル問題に有効とされる標準規格のWiMAXの利用が、2007年から伸びるだろうとしている。
ITロードマップでは、通信事業者のIPv6導入についても触れている。2004年に一部の通信事業者によるIPv6の商用サービスの開始をきっかけに、2005年はIPテレビ電話機やIPカメラ、デジタル情報家電など、パソコン以外の端末へのIPv6の利用が拡大するとしている。2006年ごろに予定されている携帯電話のIP化でIPv6が普及し、2007年終盤には自動車内でのLAN構築がIPv6で実現するだろうとしている。
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