Oracleが、市場シェア獲得に向けた取り組みの一環として、中小企業向けJavaサーバソフトウェアスイートの新バージョンを発表する予定だ。
同社のアプリケーションサーバビジネス担当シニアバイスプレジデントThomas Kurianによると、Oracleは来月ロンドンで開催されるカスタマーカンファレンスで「Oracle Application Server 10G Standard Edition One」の詳細を明らかにする予定だという。
米国時間12日に開催された金融アナリストとのミーティングの席上でKurianは、この新製品について、Oracleの顧客層を大企業以外にも拡大することを狙って設計されたものだと述べた。
この中規模市場向けバージョンは、Webサーバ、Javaアプリケーションを走らせるアプリケーションサーバ、ポータルサーバで構成されるという。価格は1プロセッサあたり5000ドルを予定している。Oracleのスイート製品で最も高価なEnterpriseバージョンは現在、1プロセッサあたり2万ドルで提供されている。
Kurianは、中小企業向け市場における最大の競争相手はMicrosoftだと述べた。Oracleは昨年、中小企業向けデータベース「Oracle Database 10G Standard Edition One」を発表し、Microsoftに対抗できるように価格も下げている。
ポータルや統合ソフトをはじめとするOracleのアプリケーションサーバ関連製品は、企業が業務アプリケーションを構築したり、走らせたりする際の土台として使われる。
顧客企業は自社の業務アプリケーションを単一の標準化されたインフラ上で走らせようと考えるようになっていることから、こうしたサーバソフトスイートは以前にも増して戦略上重要な製品と見なされるようになっている。たとえば、パッケージアプリケーションを提供するSAPも、インフラソフトで利益を上げようと、アプリケーションサーバ市場に進出している。
Oracleはアプリケーションサーバ市場への進出は遅れたものの、製品ラインを拡大し、マーケティングや営業への取り組みを強化している。Kurianによると、同社は今年、アプリケーションサーバ専門の営業部隊をこれまでの2倍の約420人体制にする予定だという。
各種調査結果によると、Oracleは、市場シェアを増やしつつある。Forrester ResearchのアナリストJohn Rymerによると、Oracleは、BEA Systemsなどのアプリケーションサーバプロバイダ各社からビジネスチャンスを奪える好位置につけているという。
BEAは2四半期連続で新規ライセンス契約のシェアを落としており、最高幹部が相次いで辞職している。「BEAは、最近の出来事が引き金となって、文字通りあっという間に転落する可能性がある。一方、Oracleは実にうまくビジネスを行っている」とRymerは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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