日常的なIT業務の質を向上させようという気運が高まる中、IBMは、企業内技術者の業務効率を上げるシステム管理製品ラインの開発に取り組んでいる。
IBMは米国時間16日、同社の「Tivoli」ラインに、ビジネスアプリケーションに加えられた変更を正確に把握するための製品を、2005年第4四半期までに追加すると発表した。Tivoliは、ビジネスアプリケーションの耐障害性を向上させ、容易な管理を実現する製品。
産業アナリストや企業幹部はしばしば、ソフトウェア業界が抱える問題として、高額なメンテナンスコストを挙げている。アナリストらによれば、IT予算の約70%が、新しいアプリケーションを開発するためでなく、システムの稼働状態を保つために使われているという。
Tivoliの戦略およびビジネス開発部門バイスプレジデントBob Madeyは、アプリケーション障害の大半は、稼働中のシステムに変更を加えたことによって起こっていると指摘する。例えば、サーバの設定を変更すると、あらゆるアプリケーションのパフォーマンスが低下するケースがあるという。
IBMの新製品は、同社のデータベース製品と、システムの変更を管理し、ITスタッフにタスクを通知するワークフローソフトウェアの技術に基づくものとなる。例えば、「Tivoli Change and Configuration Management Database」を利用すると、セキュリティパッチを配布しなければならない日時をスケジュールに記録したり、変更がいつ加えられたのかをIT管理者に通知したりすることができる。Madeyは、「先進的な監視機能や、ソフトウェア配布アプリケーションでは間に合わない。タスクレベルでの自動化を行っても、大きなメリットは生まれない。組織的な生産性を上げなければならないのだ」と述べている。
さらにMadeyは、多くの企業IT部門は、個々の管理者同士のコミュニケーションを活性化させて、メンテナンスコストの削減を図る必要があると説いている。特に今日では、アプリケーションがいよいよ複雑化し、複数のマシンの異なるコンポーネントと連携するようになっており、自分の主張には大きな意味があるとMadeyは言う。
IBMの変更管理製品は、TivoliおよびDB2データベース、「WebSphere」ワークフローソフトウェアの技術を利用して開発される。今夏に限定的な公開が予定されているが、今年の第4四半期中には一般に向けてもリリースされるという。
IBMはまた、社のネットワークに新たな分散アプリケーションを導入するといった任意のITプロセスを、企業はどのように処理すればよいのか、複数の提案も発表している。これらのアイデアは、コンサルティング業務の経験を通して培ったものだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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