IBMのTivoliシステム管理部門は、複雑なビジネスアプリケーションで障害が発生するのを防ぐ新製品を5月に発表する予定だ。
詳細は今後発表されるが、IBMのTivoli部門ゼネラルマネージャAl Zollarによれば、この取り組みの狙いは、アプリケーションにアップデートやセキュリティパッチなどの変更を加えるプロセスを円滑化することにあるという。Zollarは、IBMの「iSeries」ミッドレンジサーバ部門および「Lotus」部門の指揮をとったあと、Tivoli部門の責任者に就任した。
新製品の開発にはTivoli部門があたるが、Rationalツール部門の既存ソフトウェアも利用されると、Zollarは述べている。新製品は今年中に発売される予定。
「IBMの立場から見て重要なのは、わたしたちが、大半の競合企業が所持していない機能やアセットを組み合わせようとしていることだ」(Zollar)
Zollarはこの新製品について、プログラマが開発の途中で有益な管理情報をビジネスアプリケーションに追加するためのツールであると話す。例えば、開発者はアプリケーションに適したパフォーマンスしきい値やセキュリティポリシーを、アプリケーションのコードのなかに組み込めるようになるという。
こうして追加された情報を利用すると、アプリケーションの保守管理を担当するシステム管理者は、企業がネットワークでビジネスアプリケーションを使用する際に生じる問題を解決したり、変更を加えたりすることが容易になると、Zollarは説明している。
「現在の管理作業は、後手に回っている。わたしたちの取り組みは、IT管理の世界に科学的管理という概念をもたらすと考えている」(Zollar)
車を設計する際、自動車メーカーが製造プロセスを慎重に検討するように、ITシステムを前もってうまくデザインできれば、その管理はより楽になると、同氏は述べる。
IBMの方針は、Microsoftが進めている取り組みと酷似している。Microsoftは、2005年後半に開発支援ツール「Visual Studio Team System」をリリースする予定だ。これには、アプリケーションが企業ネットワークで初めて使用される場合に起こる問題を解消するためのモデリングツールが搭載されるという。
プログラマは、Microsoftのモデリングツールを利用することで、システム管理者に有益な情報を提供できるようになる。例えば、プログラマは、あるアプリケーションについて4基のウェブサーバならびに2基のデータベースで最適に機能するといった情報を付加できる。
IBMの新製品では、プロビジョニングもしくはアプリケーションインストールに使用するTivoliと、ソースコード管理および問題追跡のためのRational「ClearCase」「ClearQuest」を連携させていると、Zollarは述べた。
新製品は「Eclipse」ソフトウェアのプラグインとしてリリースされる。Eclipseは、IT専門家が複数のツールを単一のユーザーインターフェースを用いて使用できるようにする製品。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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