Apple Computerは、機密の製品情報を流出させたウェブサイトの電子メール記録の召喚を求めているが、先週Intel、GenentechおよびBSA(Business Software Alliance)が、Appleを支持する申立書を提出したことで、業務機密と憲法修正第一条をめぐる対立が激化してきた。
カリフォルニア州控訴裁判所に先週提出されたこの申立書は、サンタクララ郡高等裁判所のJames Kleinberg判事が下した仮決定を支持するというもの。Kleinbergは、AppleがPowerPageというMacファンサイトがやり取りした電子メールの記録を召喚できるとしていた。同サイトは、「Asteroid」(開発コード名)という音楽関連ハードウェアの機密情報を流出させたとされている。
しかし、ネット関連の権利擁護団体、Electronic Frontier Foundation(EFF)がKleinberg判事のこの判断について、憲法修正第一条で定められた言論の自由を侵害するものだとし、これを覆すよう控訴裁判所に申し立てた。EFFは、この裁判でAppleから記録の公開を求められている3人のジャーナリストの代理人を務めている。
Intel、Genentech、BSAの3者は、業務機密を入手してウェブサイトで公開することが合法になれば技術革新が阻害されると主張している。
IntelとBSAは共同申立書のなかで、「強力な業務機密保護法は、カリフォルニアのハイテク業界、ひいては米国経済全体にとって極めて重要である。このような業務機密を盗みだし、それを競合各社が見られるようインターネット上で公開することは、公共の利益にはならない」と述べている。
IntelとBSAは控訴裁判所に対し、憲法修正第一条の保護と、盗難情報を流す報道関係者の行為とは切り離して考えるよう求めた。「これらのファイルには違法行為の直接の証拠が含まれている」(共同申立書)
バイオテクノロジー業界最大手のGenentechは同裁判所に対し、企業の保有する知的財産が許可なく公開されることを許した場合の影響を考慮するよう求めた。
Genentechは申立書のなかで、「今日では、業務機密を含むあらゆる種類の機密が、キーボードを叩くだけで世界中に広まってしまう。知的財産をよりどころとして利益を得ている企業は、財産を盗んだ人物の身元を特定できるよう、適切な措置をとるための力を持たなくてはならない」と述べている。
Appleは5カ月前から、機密情報を各サイトに流出させたとされる姓名不詳の3人の身元を確認する目的で、PowerPageとAppleInsiderの記録召喚を求めてきた。同社は、この2つのウェブサイトを直接訴えておらず、情報を流出させた個人に訴訟の重点を置いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」