ソニー、エレクトロニクス事業で苦戦--2005年度の業績は実質減益を予想

永井美智子(編集部)2005年04月28日 11時42分
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 ソニーは4月27日、2004年度の連結決算および2005年度の業績予想を発表した。主力事業のエレクトロニクス事業が不振で、2004年度の同事業の赤字幅は拡大した。2005年度も大きな回復が見込めないことから、全体の営業利益は実質的に減益になると見込んでいる。

 2004年度の売上高は前年比4.5%減の7兆1596億円、営業利益は同15.2%増の1139億円、純利益は同85.1%増の1638億円となった。純利益が大きく伸びたのは、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの好業績に伴う配当が174億円あったことと、関連会社の米Intertrust Technologiesの配当が126億円あったためだ。Intertrustは著作権管理技術に関する特許訴訟をMicrosoftに対して起こし、同社から和解金として4億4000万ドルを受け取っている。

 業績の内訳を見ると、エレクトロニクス事業の売上高は前年比0.4%減の5兆216億円、営業損失は同275億円悪化し、343億円となった。ブラウン管テレビや携帯オーディオプレイヤーが減収減益要因となったほか、価格下落の激しいデジタルビデオカメラやDVD/HDDレコーダーも業績を圧迫した。薄型テレビや液晶リアプロジェクションテレビは増収要因となったものの、「利益に貢献するところまではいっていない」(ソニー執行役常務兼グループCFOの湯原隆男氏)という。


ソニー執行役副社長 兼 グループCSO&CFOの井原勝美氏

 同社執行役副社長 兼 グループCSO&CFOの井原勝美氏は、「2月から販売している液晶テレビの”ハッピー<ベガ>”が好調であり、市場におけるソニーの存在感が出てきた。また、携帯オーディオプレイヤーはPCメーカーに市場を奪われて低迷していたが、フラッシュメモリ型の製品で久しぶりにトップシェアを取ることもできた」と指摘し、一部の商品群では成功事例が出てきているとした。ただし、「ソニー全体にこの効果が波及していないのは残念」と話し、2005年度も市場環境が厳しいことから利益面ではひきつづき低迷するとの見通しを示した。

 ゲーム事業は「プレイステーション2」の販売減や価格引き下げが響き、減収減益となった。売上高は前年比6.5%減の7298億円、営業利益は同36.1%減の432億円となっている。2004年12月に日本で、2005年に3月に米国で販売を開始した携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」は売上が好調だといい、3月末までに日本で144万台、米国で153万台を出荷している。同社では2005年度のPSP出荷台数を1200万台と見込んでいる。

 映画事業は「スパイダーマン2」などが好調で、営業利益が前年比81.4%増の639億円となり過去最高となった。ただし、円高の影響で売上高は前年比3.0%減の7337億円となった。

 2005年度の連結業績見通しについては、売上高が前年比4%増の7兆4500億円、営業利益が同40%増の1600億円、純利益は51%減の800億円としている。ただしこの営業利益にはソニー厚生年金基金の代行部分の返上に伴う利益が600億円含まれており、これを除くと営業利益は1000億円となる見込みで、2004年度に比べて12%減となる見通しだ。

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