MLB(Major League Baseball)が、MicrosoftならびAmerica Online(AOL)と結んでいたネット放送に関する契約が、ひそかに打ち切られていた。これを受け、インターネット上でスポーツ番組を放映する独占的放映権の価値について疑問の声が上がっている。
Microsoftは米国時間11日、MLBとの2年間の契約を終了したことを認めた。この契約は、MSN Premium加入者にMLBの試合の模様を動画や音声でライブ配信するサービスに関して、昨年締結されたものだった。この契約により、Microsoftは2年間の契約に対し推定4000万ドルを支払っていたといわれている。Microsoftは、契約が終了する前の2005年2月に契約を打ち切った理由について、一切コメントしていない。
「MSN PremiumでMLB関連のサービスに加入していた全顧客に対しては契約変更を事前に通知しており、顧客のスポーツコンテンツへの需要を満たすために、代替の選択肢が利用できることを知らせた」とMSNの製品マネージャ、Karin Muskopfは声明文で述べている。
メジャーリーグのオンラインビジネスを担当するMLB Advanced Mediaにコメントを求めたが、回答は得られていない。
AOLも今年、MLB Advanced Mediaとの契約を変更しており、契約金推定900万ドルといわれた2年間の契約を打ち切ったことを明らかにしている。この契約でAOLは、ブロードバンドサービス加入者に各試合のライブ中継と20分のダイジェスト版を無償で提供していた。AOLでは今後、MLBのオンラインファンタジーゲームを提供する予定だ。
「ファンタジーゲームにフォーカスする方が、われわれの顧客や全野球ファンには良いだろうと判断した」とAOLのBilly Kennyは説明する。「AOL会員でなくても、AOL.com経由でこのゲームを利用できる」(Kenny)
MLBにとって、MSNやAOLとの契約打ち切りは痛手だが、同リーグは他社との提携を発表する可能性もある。ESPN.comは現在ユーザーに試合のライブ中継を月額14.95ドル、1シーズン79.95ドルで提供している。
「われわれは、この方法でファンに試合の模様を届ける」とESPNの広報担当、Paul Melvinは述べた。ただし、Melvinは、MLBとの契約の条項については詳細を避けた。
MLBのMSNとの契約打ち切りや、ESPNとの提携の可能性は、ブログのPaidContent.orgが最初にレポートした。
MSNなどとの当初の契約は、プロスポーツリーグが高い金額で放映権を販売するというビジネスモデルを構築できるかを試す試験台となった。このモデルは、スポーツリーグがTV局やケーブルTV局と契約を結び、数十億ドルもの契約金と引き換えに独占放映権を与えたテレビの世界で機能してきたモデルだ。
だがインターネットの場合は事情が異なる。昨年、MLBは主要なウェブビジネス企業にアプローチし、オンラインでの配信権を売り込もうとしたが、提示した金額があまりに高かったため各社の反感を買った。MLBは、それまでRealNetworksと3年間の独占契約を結んでいたが、2000万ドル相当といわれるこの契約が期限切れになった後、新たな契約先を求めて各社に話を持ち込んだといわれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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