カリフォルニアの小さなソフトウェアメーカーが、Apple ComputerのiTunesが提供する使い勝手の少なくとも一部を、ソニーのPlayStation Portableで実現するプログラムを開発した。
このソフトウェアは、Information Appliance Associatesが出している「PocketMac」シリーズの最新版にあたるもので、これを使うとiTunesに登録された楽曲とPSPのメモリカード内に保存した曲とを直接同期できるようになる。また、このソフトウェアを使うことで、携帯端末にAppleのiPhotoやアドレスブックのデータを転送することも可能。PocketMacシリーズの製品は各種の携帯端末をPCやMacと連携させるためのツールだ。
このソフトウェアがAppleのiPodを脅かす可能性は少ない。PSPはiPodよりも重く、音楽を選択するためのブラウジング機能はごく基本的なもので、さらに(PSPに採用された)メモリースティックの容量はハードディスクを搭載するiPodとは比べものにならない。それでも、このソフトウェアが登場したことで、熱心なゲームマニアにとっては、音楽ジュークボックスや写真帳代わりにポケットに入れて持ち歩けるデバイスが増えることになる。
「MacユーザーはPSPを欲しがるでしょうか?全員が欲しがると思います("What Mac owner would want a PSP? Our answer is, all of them.")」と、Information Appliance Associatesのウェブサイトには書かれている。
このソフトウェアは、サードパーティー製であるにもかかわらず、PSPに関するソニーの野心を浮き彫りにしている。同社は、iPodやWindowsベースのPortable Media Centersに対抗するマルチメディア携帯端末として、PSPを普及させたいと考えている。
あくまでもゲーム機能がメインのPSPだが、米国ではソニーが開発したUniversal Media Disc(UMD)版の「スパイダーマン2」がバンドルして販売されており、他の映画会社でも自社作品のUMD版をリリースすることを明言している。また、PSPを使ってMP3ファイルやソニーのATRACフォーマットの楽曲を聴くことも可能だ。
しかし、PSPはAppleのiTunes Music Store(iTMS)が採用する音楽フォーマットはサポートしていない。つまり、新しいPocketMacで再生できるのはMP3ファイルだけで、iTMSからダウンロード購入した曲は聴けないことになる。
このソフトウェアは、PocketMacのサイトからダウンロードできる。価格は9ドル95セント(お試し価格)。
PSPの機能拡張に取り組む開発者はほかにも存在し、Linux OSの移植を目指すプロジェクトもある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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