かつて「レコード業界は音楽著作権侵害者らのPCを破壊できるようにすべきだ」と語ったこともあるOrrin Hatch上院議員が、上院に新設された著作権法策定を担当する小委員会の委員長に就任する。
Hatch議員(ユタ州選出、共和党)は米国時間17日、上院の知的財産権に関する小委員会の委員長に正式に指名された。同小委員会は、米著作権局を監督すると共に、著作権関連の法律/条約と特許法の策定を担当する。
Hatchは2、3年前、全米レコード協会(RIAA)を声高に非難する連邦議会議員の1人だった。同議員はRIAAに対し、オンライン音楽配信業者への音楽ライセンスに関してより柔軟に対応するよう促し、さらに連邦控訴裁判所がNapsterに下した判決に対し「政策的見地から見て近視眼的だ」と非難した。
しかしNapsterに代わるものがPtoPネットワークという形で出現したため、Hatchは政治的見地を一変させたようだ。同氏は、奇抜で破壊的な技術を擁護するどころか、逆にそれらの技術に対し最も批判的な議員の一人となった。
昨年、Hatch議員とバーモント州選出のPatrick Leahy上院議員は「Induce Act(誘発法)」と呼ばれるファイル交換規制法案を提出したが、同法案に対しては、Apple ComputerのiPodなども規制の対象となりかねないとの批判の声が上がった。Leahyは、Hatchが委員長を務める新しい小委員会の民主党主席議員だ。
Induce Actに対しては、インターネットサービスプロバイダ(ISP)やエレクトロニクス業界、さらにかつては概ねHatchを支持していた一部の保守派からも激しい非難の声が上がった。結局、昨年、同法案は立法化されなかった。
Hatchは上院司法委員会の委員長を務めていたが、その任期が満了になったため、退任を余儀なくされた。現在は、Arlen Specter上院議員(ペンシルバニア州選出、共和党)が委員長を務めており、同議員が上記の小委員会を設立し、Hatchを委員長に任命した。
Hatchは2003年に、公聴会で著作権保有者が遠隔から音楽著作権侵害者のコンピュータを破壊することを認めるべきだと発言し、評判を落とすという不本意な結果を招いた。Hatchは「是非それを可能にしたいと考えている」と述べ、さらに次のように続けた。「誰かに著作権について教えるには、もはやその方法しかないだろう・・・それこそ、著作権侵害行為を撲滅するための最終手段だ。」
しかし、Hatchは翌日発表した短いプレスリリースの中で、「私も極端な改善策は望まないが、他に穏便な改善策が見つからなければ止むを得ない」と述べ、前日の発言をややトーンダウンさせた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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