米上院商務委員会は19日(米国時間)、スパム業者が偽の電子メールヘッダを使用したり、メール受信者に受信拒否をさせなかったり、あるいはウェブ上で入手したメールアドレスに大量のメールを送信した場合に、連邦政府の監督機関やインターネット接続サービス業者(ISP)が、それらの業者を提訴できるようにする「CAN-SPAM Act」を、発声投票で承認した。
また同日、Orrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)とPatrick Leahy上院議員(民主党、バーモント州選出)はスパムメールを繰り返し送信した者に対し、最長5年の禁固刑と1日当たり最高2万5000ドルの罰金を課す、「Criminal Spam Act(CSA)」法案を提出した。
これらの提案は、近い将来に複数のスパム防止法の成立を目指す米議会の強い決意の現われである。インターネット業界を混乱させると同時に、多くの人々や電子メールプロバイダを悩ませている大量の迷惑メールの問題は、徐々に深刻化しつつあり、CSAが提出される以前に少なくとも8つの提案がなされているが、各案はこの問題に対し、異なるアプローチをしている。すでに多くの州が、商業目的の迷惑メールを規制する法律を制定しているが、議会ではまだ1つの法律も成立していない。
Hatchは、院内で発表した声明の中で、「(CSAは)最も悪質な犯罪者に対する連邦法執行機関の訴追/処罰権を強化することにより、違法かつ詐欺的なスパムの撲滅を目指すものだ」と述べた。また、Leahyは別の声明の中で、「(CSAは)詐欺行為などによりメール受信者を騙してメッセージを読ませたり、転送させようとする最も有害かつ悪質なスパム送信者に対し、そのような行為を思いとどまらせることを目的としている。米国中の受信トレイからスパムメールを一掃できれば、我々のジャンクメールとの戦いにおいて大きな前進となる」と述べた。
CAN-SPAM Actでは、インターネットに接続されたコンピュータに「許可なく」アクセスしたり、あるいはコンピュータを使って複数の商業メールを送信したスパム送信者に、禁固刑が課される。刑期は、初犯が最長3年で、常習犯や犯行過程で同時に他の犯罪も犯した場合は、最長5年の禁固が課せられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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