電子機器メーカーや一部のインターネットサービスプロバイダ(ISP)が、新著作権法案に対する反撃を開始した。同法案は、ピアツーピア(PtoP)ネットワークの禁止を目的としたものだが、これが立法化されればApple ComputerのiPodなども違法となる可能性がある。
Induce Act(誘発法)と呼ばれる同法案は、IT業界の各方面から非難を浴びている。SBC Communications、Verizon Communications、Consumer Electronics Association(CEA)などの企業/団体は、米国時間24日に米連邦議会に独自の法案を送付し、この法案に対する反撃に乗り出した。
「Don't Induce Act」と銘打たれた同法案は、業界がInduce Actほど脅威と感じない代替案を上院に提供する目的で作成したものだ。同法案の内容はInduce Actに比べはるかに限定的で、デジタルネットワーク上で大規模な著作権侵害行為を行なう目的で「特別に設計された」商用のコンピュータプログラムを配布した者だけが、著作権侵害行為について法的責任を負うと定められており、iPodや他の音楽プレイヤーのようなハードウェアは対象にならない。
CEAのバイスプレジデント、Michael Petriconeはインタビューに応え、上院司法委員会委員長のOrrin Hatch上院議員(共和党、ユタ州選出)から、IT業界の懸念を反映した内容(の代替案)を出してくれと言われた、と語った。
「われわれは戻ってきて、Hatchに頼まれたことをしようとした」とPetricone。Hatchは上院におけるInduce Actの最初の提案者だ。同法案は民主党幹部からも支持を得ている。
7月に開かれた司法委員会の公聴会でもInduce Actについて議論されたが、同委員会での採決はまだ行なわれていない。
Petriconeは、Don't Induce Actの策定に関与した他の組織として、American Library Association、Computer and Communications Industry Association(CCIA)、DigitalConsumer.org、Home Recording Rights Coalition、Public Knowledgeを挙げた。
Induce Actを強く支持しているレコード/映画業界は、完全に書き換えられた代替案の受け入れに気乗りしない態度を示した。
全米映画協会(MPAA)のバイスプレジデント、Fritz Attawayは、Don't Induce Actは対象があまりに限定的であるため、PtoPネットワーク事業者すら取り締まることはできないと批判している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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