Microsoftは米国時間10日、Groove Networksを買収することを明らかにした。この買収でGroove創業者のRay OzzieはMicrosoftの最高技術責任者(CTO)に就任する。
Microsoftによると、同社はGrooveの「バーチャルオフィス」コラボレーション・ソフトウェアをMicrosoft Officeに統合していくという。Lotus Notesの生みの親で、コラボレーションソフトウェア分野の第一人者でもあるOzzieは、Microsoft会長でチーフソフトウェア・アーキテクトを務めるBill Gatesの指揮下に入ることになる。
「長年、Rayと、彼が率いるチームを迎え入れたいと考えてきた。今回、その願いが実現することになり、とても嬉しく思っている」とGatesは10日の電話会議で述べている。
MicrosoftはGrooveの株主で、またすでにGrooveのコラボレーションソフトはWindowsや他のMicrosoft製品と密接に連動するようになっている。
Microsoftは、Grooveを自社のInformation Worker部門に統合すると述べた。買収は第2四半期中に完了する見込み。また買収の条件については明らかになっていない。
Groove(本社:マサチューセッツ州ビバリー)は1997年に設立され、これまでグループウェアを開発してきた。現在200人近い従業員が働く同社は、買収後も現在の拠点で活動を続けることになる。
Groove Virtual Officeという同社のソフトウェアは、異なる組織に所属するユーザーが、インターネットを介して安全に共同プロジェクトを進められるようにするもの。この製品はピアツーピア(PtoP)の設計を採用しており、各ユーザーのPCが直接他のユーザーのPCと文書をやりとりしたり、インスタントメッセージ(IM)のやりとりを行ったりできようになっている。
Groove Virtual Officeは、MicrosoftのウェブポータルソフトSharePointのアドオンとして販売されている。この製品を使うことにより、ユーザーはVPNを利用しなくても進行中のプロジェクトに関連する最新のデータを入手できる。
Grooveには、優れた情報共有ツールを求める政府機関や大企業をはじめとして、現在100を超える顧客がいる。同社関係者によると、当初は大企業による全社的な導入を目指していた同社だが、ここ数カ月は個別の部門における規模の小さなプロジェクトや小規模な組織に営業の重点をシフトしているという。
Ozzieは、GrooveがMicrosoftの傘下に入ることについて、同社が掲げてきたより良いコラボレーションツールを提供するというビジョンの実現に役立つだろうと述べた。
「Microsoftと力を合わせることで、われわれはコラボレーション用のソリューションを求めるユーザーのニーズにさらに効率的に対応できるようになる。ユーザーが求めているのは、組織の壁や物理的な隔たり、ネットワークの境界などに関係なく、ただ『きちんと動く』ソフトウェアだ」とOzzieは声明のなかで述べている。
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