Ozzieは以前CNET News.comとのインタビューのなかで、独立を保ち株式公開にこぎ着けることが同社の当初からの意向だと述べていた。
Forrester ResearchアナリストのNate Rootは、両社の密接な関係を考えると、この買収にはそれほど意外性がないと述べている。Ozzieはグループウェア市場で長年中心的な立場にあることから、OzzieをMicrosoft内部にとどめておくことは賢明な措置だ、と同氏は付け加えた。
「Lotus Notesは発表当時、前例のない野心的な製品だった。Grooveにも同じことが言える・・・Rayは野心的な発想をする人物だ。Microsoftはその価値を認識し、ついに力を入れてGrooveの買収に乗り出したといえる」(Root)
Grooveのソフトウェアは、Microsoft Officeのなかに存在する穴を埋めるものだ。Microsoftでは、企業顧客が社内ネットワークにたまにしか接続しないが、しかし最新状態の書類が必要な従業員向けのソフトウェアを求めた場合に、これまではGrooveを紹介するしか手がなかったとRootは言う。
しかし、Grooveのコラボレーション機能を来年出荷予定のOffice 12と次期Windows「Longhorn」に組み込む作業は簡単にはいかないだろうとRootは言う。
「コードが数百万行にもなるソフトウェアで、しかも設計や開発がかなり進んでいる場合、土壇場になって主要な新機能を組み込もうとしても簡単には済まないだろう。Microsoftは1年前に買収しておくべきだった」(Root)
Directions on MicrosoftアナリストのPaul DeGrootは、Grooveの買収について、Microsoftのソフトウェアをベースにして製品を開発した企業をMicrosoftが買収する、というおなじみのパターンに当てはまると述べている。同氏はまた、この動きが顧客へのアップグレード推奨を目的とするOffice製品への機能追加戦略を加速すると指摘している。
ただし、MicrosoftにはLive Meetingなど多数のコラボレーション関連製品がすでにある点もDeGrootは指摘している。
IBMのLotus部門に在籍していた当時、Ozzieは何年にもわたってMicrosoftと戦っていた。そのOzzieがMicrosoftという巨大組織に適応するためは、相当の変化を迫られることになる、とForresterのRootは言う。
「Lotus Notesの生みの親がBill Gatesの下で働くというのは何とも皮肉なものだ。Groove製品のセールスポイントは、同じ場所にいない人間同士でも一緒に働けるようにするというものだ・・・Rayが自社製品をつかいこなせるかどうかも、これでわかるだろう」(Root)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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