サンフランシスコ発--IntelとIBMは、長い間サーバプロセッサの市場で戦ってきた仲だが、Intelの幹部らは米国時間1日、Itaniumプロセッサの主な競合製品としてIBMのPowerチップの名をはっきりと口にした。
Intelのデジタルエンタープライズグループを率いるPat GelsingerとAbhi Talwalkarの両氏は、当地で開催中のIntel Developer Forum(IDF)で講演を行い、Itaniumの主要な競合製品がIBMのPowerプロセッサであると再三にわたって指摘した。この発言に先立って、IBMは先週、Itaniumに対応するチップセットの開発を中止したことを認めていた。
「これはPowerとItaniumとの一騎打ちだ。IBMがPowerチップを売り込もうとしている点を考えれば、彼らがItaniumのサポートをやめたことも驚くに値しない」(Gelsinger)
さらにTalwalkarは、Itaniumチップについて、「主な競合相手はPowerチップ」だと断言した。
この発言は、宣戦布告というほどのものではないかもしれない。だが、Intelのもう1つのサーバプロセッサXeonについて、IBMとIntelの両社が密接な提携関係にあることを考えると、この発言はかなり強気なものといえる。「IBMがItaniumをサポートしないことにしたと聞いて、Intelは激怒している」とIlluminataのアナリストGordon Haffは述べている。
IBMにコメントを求めたが、すぐには応じられなかった。
2004年のItaniumの出荷数は、Intelが設定した目標に達しなかった。しかし同社はいまだにこの技術への投資を続けている。同社は「IBMのPowerや、Sun Microsystemsと富士通が開発するSparcを相手に攻勢をかけるには、PentiumやXeonといったx86チップであらゆる用途に対応するというアプローチは通用しない」と主張する。Gelsingerはまた、Itaniumに対するIntelの熱意の表れとして、ハイエンドのItaniumプロセッサ「Poulson」を新たに発表した。
同氏は、Poulsonに関する詳細をほとんど明らかにしなかった。同氏は、このプロセッサが2007年に登場するItanium版「Tukwila」の後に登場し、「Richford」というTukwila搭載サーバプラットフォームで利用できるものになるとだけ述べた。
ただし、PoulsonはTukwilaとは大幅に異なるものになるだろうと、Gelsingerは言った。「PoulsonはTukwilaの単なるマイナーアップデートではない。Poulsonの開発は大規模なものになる」(Gelsinger)
Xeonのロードマップ
Intelは今回のIDFで、サーバプロセッサのXeonについても数多くの計画を明らかにした。同社は今後「DP」および「MP」という2系統のXeonをリリースしていく。「DP」モデルはデュアルプロセッサマシン向けで、「MP」モデルは4基以上のプロセッサを搭載するサーバに対応する。
「Intelは自分たちのしていることにいくらか自信を取り戻している」とInsight 64のアナリストNathan Brookwoodは言う。同氏は、Intelが過去にこうした情報を積極的に発表してこなかった理由について、「自分たちの方向性に自信が持てなかったのだろう」と説明している。
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