Microsoft会長のBill Gatesは、米国時間3日夜に発表した声明のなかで、同社が引き続きソフトウェアの相互運用性向上に懸命に取り組んでいくと公約した。
Gatesは、同社ウェブサイトに掲載されたこの文書のなかで、異なるベンダーが開発した各種技術を連動させるための相互運用性の改善が、ソフトウェア業界が現在抱える最大の課題であることを認めた。IT業界は数年前から数多くの戦略を採用し、さまざまなベンダーの製品を統合するという課題に取り組んできたが、しかし各社が相互運用性実現に向けて全面的に取り組む以外には、顧客の業務の負担を軽減する方法はない、とGatesは指摘した。
その結果、Microsoftを含むITベンダー各社は、異なるアプリケーションやシステムが、異種システムの連係や相互データ交換を改善する「共通の規約」を遵守しながら、同時に「最も得意なことをする」ようにしなくてはならない、とGatesは述べた。
「われわれの目標は、現代(そして一昔前)のビジネスソフトウェアが本来持っている力を利用し、1+1が2以上になるような連係を実現することだ」とGatesは述べ、さらに「われわれは、ばらばらなアーキテクチャ/アプリケーション間の摩擦をさらに取り除きながら、同時に各アーキテクチャ/アプリケーション固有の基盤となる機能を損わないようにしたいと考えている」とした。
Gatesは、相互運用性が大幅に向上した技術分野の1つとしてインターネットを挙げた。ウェブベースのソフトウェアは、特定のプロトコルに従っている限り、ほぼすべてが他の多くのアプリケーションと連動できる。
Gatesはまた、Microsoftが「エグゼクティブ電子メール」と呼ぶこの声明を使い、自社のアプリケーション類は相互運用性に高い関心を持つ企業にとって最適の製品だと売り込んだ。 同氏は「われわれのソフトウェアは、何十年も前のものから先週発売されたばかりのものまで、市場に出回るさまざまな技術と連動する」とし、メインフレームからMac OS、NetWare、Java、OracleのデータベースやSAPのビジネスソフトまで、さまざまな技術を列挙した。
Gatesは、特にXML(Extensible Markup Language)ベースのWebサービスに対するMicrosoftの取り組みに言及した。IT企業各社は、多くの異なるソフトウェアにXMLを採用することで、それらに『設計の段階から相互運用性』を持たせるという戦略を追求できるようになるとGatesは述べ、XMLがOffice 2003やOffice System製品で重要な役割を果たしている点を強調した。
「データがXML形式になっていれば、まず既存のシステムのなかにある情報を簡単に取り出し、使い慣れたOfficeアプリケーションで扱える。さらに、Officeで作成された情報を他のビジネスアプリケーションで扱うことも簡単だ」(Gates)
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